2022年最も多かった漢方相談は「ダイエット」! おすすめダイエットレシピを紹介

新年を迎え、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 今回は2023年のスタートということで、昨年わたし漢方に寄せられたお悩み相談ランキングとともに、漢方による改善策やおすすめの生活習慣について「わたし漢方」の漢方アドバイザー「さっち先生」にお話をうかがいました。

年間お悩みランキング2022

わたし漢方に昨年寄せられたお悩みの中で、最も多かったのは「ダイエット」。続く2位が「自律神経(イライラ / 不安・心の疲れ)」、3位が「不妊(女性)」でした。

上位3つのお悩みはコロナ禍以前からも多く寄せられていたご相談でしたが、リモートワークやおうち時間の増加にともない、相談件数がかなり増えました。2022年も新型コロナウイルスに悩まされた一年であったことがうかがえます。

4位以下は辛さを我慢してしまいがちなお悩みが続きます。このようなお悩みを放置すると、身体の準備が十分にできないまま新しい季節を迎えることになるので、蓄積されたダメージが身体に大きな負担を与えることもあります。

不定愁訴(ふていしゅうそ)、明らかな身体的原因が認められないにもかかわらず、多彩な症状を訴え続ける状態にも対応できるのが漢方の魅力。
わたし漢方では、どれかひとつではなく症状が目立つ部分や、影響が強い部分などをカウンセリングでお伺いし、ひとりひとりの生活習慣も合わせて見直すことで不調の改善に取り組んでいくためのお手伝いをしています。

「いつものことだから」と見過ごさず、身体からのサインをしっかり受け取って自分自身の体質を見直していきましょう。

漢方理論で考えるダイエット

昨年、季節や年齢・性別を問わず多くの方からたくさんの相談が寄せられたダイエット。
楽しい年末年始、クリスマスからの流れもあり、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたり…お正月太りにお悩みの方がいらっしゃるかもしれません。

漢方の力を借りて行うダイエットでは、代謝やお通じの改善やストレス過食の解消をサポートして、痩せやすく太りにくいお身体づくりを目指します。

漢方では、気血水をはじめとするいくつかの考え方に基づいて、身体に何が足りていないのか・循環していないのかを問診によって見極めていきます。
ここから見えてくる身体の傾向のことを「体質」と呼び、季節の移り変わりや年齢など様々な理由から日々変化していきます。自分はどのような原因で痩せにくくなっているのか、それぞれの体質の特徴を見ていきましょう。

★ 気の不調が目立つ「気太り」
「気(き)」はからだやこころを健康に保つために必要なエネルギーのようなもの。気の巡りの悪さはストレス過食や便秘、脂肪の燃焼に関わる代謝が悪くなるなどの原因になります。気の不足によって代謝する力が弱くなり、痩せにくい体になっているケースも見られます。

★ 血の不調が目立つ「血太り」
「血(けつ)」は血液だけでなく、全身を巡る養分を指します。血の質・血流が悪くなると老廃物の排出が滞るので、痩せにくい身体になりやすいとされています。
油っぽい・味の濃い食事が多い、中性脂肪やコレステロール値を指摘されやすいという方は血の巡りが悪くなっている可能性が高いです。

★ 水の不調が目立つ「水太り」
「水(すい)」は水分だけでなく、唾液・胃液・涙・汗などの分泌液を含む血液以外の体液すべてを指します。余分な水が停滞し、水分代謝が悪くなっているとむくみの原因になります。下半身太りやぽっちゃり体型にお悩みの方が多く見られます。

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体質は人それぞれ異なるので、SNSなどでダイエットに効くと評価されている漢方薬でも、その時の自分の体質に合わなければ効果をうまく発揮することができません。
体質診断は季節や気候なども参考にして総合的に判断をしていくので、特に初めて漢方に触れてみるという方はまず専門家に相談してみるのがおすすめです。

健康的に痩せる食生活のポイント

漢方薬は飲めば痩せる魔法の薬ではないので、食生活などの生活習慣の改善や運動と組み合わせていくことで効果がしっかりと目に見えるようになります。

摂取カロリーよりも消費カロリーを増やすために食事の量を調整することはもちろん大切ですが、目標設定は無理のない範囲で。極端な食事制限は栄養不足に陥り、逆に脂肪を溜め込みやすい体を作ることにつながるうえ、心にも負担をかけます。

短期間で楽に痩せたいという気持ちはわかりますが、ダイエットの成功は健康な心と体があってこそ。無理のないバランスを保って、有効なダイエットを目指しましょう!

☆ スタートは野菜から
血糖値が急上昇するとブドウ糖が脂肪に変わりやすくなるので、野菜・海藻・きのこ・蒟蒻など食物繊維が多いものから食べるのがおすすめ。

☆ 朝ごはんを食べよう
胃腸が活発に動き出して内臓が温まることで基礎代謝アップにつながります。朝ご飯を食べる習慣がない人は白湯から始めてみましょう。

☆ 旬の食材を大切に
旬の食材は美味しいだけでなく、その時期に自然から与えられる恵みを最も吸収しているので、新鮮で栄養価が高いものが多いです。特に冬にはビタミンやカロテンなど免疫力を高める栄養素が多く含まれている食材や体を温めてくれる食材が多いので、丈夫な体をキープして代謝を良くしたい健康的なダイエットにピッタリ。
お財布にも優しいので、積極的に取り入れていきましょう!

【冬が旬のおすすめ食材】
・ねぎ

年中見ることの多い食材ですが、旬のねぎは辛みがマイルドなのが特徴。免疫力の向上や殺菌作用も高く、種類や食べ方も豊富なので取り入れやすい食材です。温める効果も高いので、冷え性さんにもおすすめ。

・山芋
・大根

両方ともアミラーゼなどの消化酵素が多く含まれているので、ご飯やパンなどのデンプン質の消化を助ける働きがあります。食物繊維も豊富なので、便秘の解消や血糖値の上昇を緩やかにする効果も。

・白菜
冬のお鍋に欠かせない白菜。低糖質・低カロリーなダイエット向きの食材です。カリウムを含むので、むくみ防止に期待できます。どのような味付けにも馴染むので飽きがこないのも嬉しいポイント。

【体質別おすすめ食材】
・気太りさん

気滞タイプ…セロリ、春菊、みつば、紫蘇、ミント、パセリ、パクチー、柑橘類 など
気虚タイプ…かぼちゃ、キャベツ、アスパラガス、ブロッコリー、イモ類、しいたけ、まいたけ、アボカド など

・血太りさん
なす、ピーマン、チンゲン菜、にら、たまねぎ、にんにく、よもぎ、ブルーベリー、桃  など

・水太りさん
あずき、緑豆、黒豆、えんどう豆、緑豆もやし、きゅうり、こんぶ、のり、わかめ、とうもろこし など

おすすめダイエットレシピ

トロトロやまいも鮭グラタン
刻んで、すって、混ぜて焼くだけ!
手軽で簡単に作れて、冬に旬を迎える山芋をたっぷりいただけます。
ダイエットはもちろん、この時期にお悩みが増える冷え性対策にもGOOD。

材料 (2人前)
・山芋      300g
・塩鮭      100g(一切れ)
・しめじ     50g(1/2袋)
・白ネギ     1/2本
・溶き卵     1個
・めんつゆ    小さじ2
(濃縮4倍)
・塩       少々
・コショウ    少々
・ピザ用チーズ  50g
・マヨネーズ   20g
・青のり     少々
(または刻みのり)

作り方
① 塩鮭は焼いて、骨を取り身をほぐしておく。
② ボウルに①の塩鮭、溶き卵、めんつゆ、塩、コショウを入れ、そこにすりおろした山芋を加えて、ふわふわになるまでよく混ぜる。
③ グラタン皿に2を流し入れ、表面にピザ用チーズとマヨネーズをかける。
④ 200度のオーブンで、20分焼く。(焼き色が先につきすぎないように、途中でアルミホイルを被せる)
⑤ お好みで青のりか刻みのりを散らす。