妊娠率・出産率・流産・早産にも関係?「子宮内フローラ」って何?

【子宮内フローラと妊娠率・生児獲得率の関係】

子宮内フローラとは?
子宮内に存在する多種多様な菌の集まりのことで、細菌が集まっている様子がお花畑のように見えることからフローラ(flola)と言われています。
「腸内フローラ」は皆さんもよく耳にされ、健康やメンタルとも深い関係があるとして、もう何年も前から注目されていますが、「子宮内フローラ」は、いかがでしょうか?
「子宮内フローラ検査」は、2022年6月に先進医療にも認定されたことからご存知の方も増えて来ていると思いますが、まだまだ馴染みの少ない言葉かもしれません。

それもそのはず、実は「子宮内フローラ」が発見されたのも最近のことなんです。

【つい最近まで、子宮内は無菌と考えられていた】
2015年、米ラトガース大学の研究者により、子宮内に細菌はいないという常識が覆されました。無菌だと思われていたのは、子宮内の細菌が超微量で、それまでの技術では検出できなかったというところが大きいと考えられます。

ゲノム解析により子宮内にどのような細菌がいるかを調べるのですが、近年のゲノム解析技術の向上により、超微量な菌まで解析できるようになったことが、この発見につながっています。
子宮内の超微量な細菌を検出しようとすると検査試薬中の細菌まで一緒に検出されてしまうなど、かなり高度で繊細な技術が必要です。

非常に高度な技術が必要とされるので、まだ世界でも数社しか子宮内フローラの検査を実用化できていません。また、検査会社によって、検査方法や解析の結果、精度なども異なります。

今回は、Varinos株式会社が世界で初めて独自開発・実用化に成功した「子宮内フローラ検査」について紹介します。
Varinos子宮内フローラ検査は、累計300以上の医療機関に提供しており(2023年6月時点)現在も日々技術の向上に努めているとのことです。

【子宮内フローラの環境が妊娠率にも影響】
近年の研究で、子宮内フローラの菌環境が妊娠率や生児獲得率に影響することがわかってきています。下図参照。

子宮内フローラにおいては、善玉菌の「乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)ラクトバチルス」がどれくらいいるのかが重要で、90%以上が望ましいと考えられています。

上図の研究では、ラクトバチルスが90%以上いる方の妊娠率は70.6%、生児獲得率は58.8%に対し、90%未満の方の妊娠率は33.3%、生児獲得率は6.7%という結果がでています。

「子宮内の細菌は超微量なのに妊娠や着床に影響するの?」と思われる方もいるかもしれませんが、研究からわかっていること(論文として発表されていること)としては、子宮内にいる細菌の「量」ではなく、「割合」が影響するということです。

そのため、Varinosの「子宮内フローラ検査」では、ラクトバチルスの割合が少なかった場合、医師が適切な治療計画を立てられるよう、非常に微量しかいない菌の割合までも検出し、結果を医師にレポート。

子宮の中の菌が微量しかいないから妊娠や着床に影響がないという研究結果は今のところなく、医師や患者様からの「できるだけ詳しく子宮内フローラの状態を知りたい」と思いに応えるべく検査技術を磨いた結果、「どこよりも精度の高いレポートが上がってくる」と医師たちから評価の検査になり、多くの医療機関に導入されています。

【善玉菌・ラクトバチルスの「割合」が少ないと、なぜ妊娠率・生児獲得率が下がるのか】
ラクトバチルスの割合が少ないということは、それ以外に細菌性腟症の原因となる菌など、悪玉菌がいる環境になっている場合もあるからです。

一般的に
①悪玉菌により生殖器内に炎症が起こると、免疫細胞が活発に働くようになり、受精卵まで異物として攻撃されてしまう
②悪玉菌の中には、早産や流産につながると考えられている菌もいる

と考えられています。
そのため、ラクトバチルスの割合を高い(90%以上)状態にしておくことが望ましいとされています。
不妊治療をされている方だけではなく、妊娠を希望されているすべての方にとって、子宮内の菌環境「子宮内フローラ」を知ることは大切という認識が広まっています。

【子宮内フローラ検査でわかること】
子宮内にいる細菌の存在比(割合)がわかります。
妊娠から出産まで非常に重要となってくることがわかってきた子宮内の菌環境として、善玉菌である乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)ラクトバチルスがどれくらいいる状態なのか?という結果に加え、中には細菌性腟症の原因となる細菌など悪玉菌が検出される方もいらっしゃいます。
悪玉菌にも様々な種類があるので、Varinosの子宮内フローラ検査では、どの細菌がどのくらい存在しているのかを細かく解析し、レポートを医師に提供しています。

【子宮内フローラ検査の流れ】
ステップ①~医療機関の受診
ステップ②~医療機関での検体採取
ステップ③~検査会社での解析
ステップ④~医療機関で解析レポートを踏まえた治療の実施
(結果に問題がなかった方は不要)

ステップ①~医療機関の受診
まず、子宮内フローラ検査は医療機関で受けていただくことになります。すでに不妊治療などで医療機関に通っていらっしゃる方は、担当医に相談してみてください。

また、まだ不妊治療はこれからでかかりつけ医がない、あるいは妊活を始めるタイミングでご自身の子宮環境を知っておきたいということでしたら、 お近くの医療機関で子宮内フローラ検査を提供している施設がないか確認いただくのが良いと思います。

↓子宮内フローラ検査 提供施設一覧
https://varinos.com/services/flora/

ステップ②~医療機関での検体採取
医師が、子宮体がん検査と同様の器具を使い、子宮内膜上の粘液(子宮内腔液)を採取します。採取した検体は、検査会社に送られ、ゲノム解析技術でどういった細菌がいるかを網羅的に調べます。

検査に関しての痛みは、個人差(痛みの感じ方や腟から子宮の形状、検査時の体調など)があるほか、検査会社によって、検体の採取法も異なることを知っておくといいかもしれません。

子宮内膜の組織を採取する方式の検査もありますが、Varinosの「子宮内フローラ検査」は、子宮内膜上の粘液だけで精度の高い解析をすることができます。
具体的には、ピペットと呼ばれる細い棒状のものを子宮まで挿入し、その先端で吸引した粘液が検体となります。

ステップ③~検査会社での解析
検体がVarinosのラボに届くと、まず検体中の細菌等を壊してDNAだけを抽出します。その後、微量なDNAを増幅させ専用の機器で解析できるようにします。その機器というのが次世代シーケンサーというもので、高速でDNA配列を解読してくれます。それを自社Varinosのプログラミングで解析し、その配列から、どのような細菌が子宮内にいるかを判断していきます。
その結果を細かく解析し、レポートを医師に提供しております。

ステップ③~検査会社での解析
(結果に問題がなかった場合、積極的な治療は不要)

検査結果はおおよそ3週間くらいで、医療機関にレポートが届きます。

レポートには主に以下の内容が記載されています。

ラクトバチルス率…パーセンテージで存在比を記載
菌叢プロファイル…ラクトバチルスとそれ以外で検出された細菌の名称や占有率
検査結果コメント…どのような細菌が検出され、一般的にどのような対処方が報告されているか、など

上記のようなレポート結果を踏まえ、ラクトバチルスの比率が低かった場合や細菌性腟症の原因となる細菌がいた場合は、医師が菌環境に応じた治療を行います。
抗生剤の投与やサプリメント(ラクトフェリン)の摂取、食生活の改善など、医師がその方に合った治療を提案してくれます。

また、子宮内フローラ検査の結果、ラクトバチルスが90%以上で細菌性腟症の原因となる細菌などいなかった場合でも、子宮の菌環境は生活習慣やその他さまざまな理由で変化することがあります。子宮内フローラを良い状態で保つために、食生活やサプリメント(ラクトフェリン)の摂取など、日ごろからどういったことをするとよいか医師に相談するのもよいと思います。

【自分の子宮の状態を知ってほしい】
もし妊娠・出産にとって悪い影響をあたえる細菌がいる場合、できるだけ早く治療、改善することが大切です。また、子宮の菌環境を把握することで、より効率的に子宮内の環境を整える方法が見つかる可能性もあります。

子宮内フローラ検査は、色々な検査や治療を行っているけど妊娠・着床に至っていない方、過去に流産・早産の経験があり、今後も懸念を指摘されている方など、これから妊娠を望むすべての方に受けていただける検査です。

Varinos株式会社では、ラクトフェリンのサプリメントを販売しています。

詳細・ご購入はこちら
https://varinos-online.com/