葛西隆恵さん|クライアントワークを行いながら子育てするには まわりの理解と協力が必要

現在シングルマザーとして5歳と3歳の2人のお子さんを育てるかたわら、WEB関係のコンサルタントとして活躍中の葛西隆恵さん。小さいお子さんを2人も抱えながらの再就職し、クライアントワークに就くことで苦労したことも多かったそうです。今回は、葛西さんにお仕事と家庭とのバランスのとり方や再就職に悩む女性へのアドバイスをお聞きしました。

再就職は大変な面もあるけれど、仕事のやりがいを見つけられた

今の会社に入る前は専業主婦をしていました。出産前は化粧品系の会社で働き、個人でブランド品の並行輸入などの仕事をしていました。再就職したのは娘たちが2歳と9ケ月のとき。まだまだ手がかかる時期ではありましたが、再就職して安定した収入が欲しかったため再就職する決断をしました。実際に働き始めてみると最初こそ大変でしたが、周りの協力も借りつつすぐに今の生活に慣れました。

社内には同年代の女性が多く、話す機会にも恵まれたので本当に助かりました。最初はアシスタント的な役割で入社しましたがだんだん仕事の範囲が広がり、現在は保険・金融系のクライアントに対してのプロモーションや運用型の広告の提案、キャンペーンの管理など、WEBまわりの仕事全般を担当しています。

広告の中でもデジタル系は数字でわかりやすく結果が出てくる分野。だから厳しい反面、やりがいも大きい仕事です。大変な課題もありますが、チームで意見を出し合い目標を達成したときの気持ちは格別ですね。

まわりの協力と時間を上手に使うことが子育てと仕事の両立に欠かせない

私が子育てと仕事を両立できている理由は2つあります。一つ目は、会社や同僚などまわりの協力を借りていることです。例えば、子供が病気になってしまい急遽看病をしなくてはならない時、私は「看病ノマド」という子供が病気のときにリモートワークで仕事ができる制度を利用しています。

ただ、私の仕事はクライアント相手の仕事なのでそういった制度があってもスケジュールのやりくりをするのが難しいことも。そういったときはチーム内の仲間が頼りです。私がどうしても打ち合わせに行けないときは、チームメイトに替わりに行ってもらい話をすすめてきてもらいます。

また、子供を預けることができないときにどうしても外せない打ち合わせなどがあるときは会社にも子供を連れてきてしまったこともあります。うちの会社に子供を連れてきていいというルールは特にありませんでしたが、会社のメンバーは柔軟に受け入れてくれました。また私が打ち合わせで子供達の面倒を見ることができないときは、同僚が子供をみていてくれました。やはり子育てをしながらクライアントワークを続けるにはまわりの協力が欠かせません。うちの会社は幸いなことに皆さんがとても協力的なので本当に助かっています。

また二つ目は、朝の時間を有効活用することです。今は時短で仕事をしていて通常17時くらいには退社しています。その後はお迎えから家事・育児と忙しく、夜は忙しくて他のことをやる暇があまりありません。そのため、こなさなくてはいけない仕事や家事があるときは、朝4時とか5時くらいに起きるようにしています。幸いなことに、私の場合パソコンさえあればどこでもできる仕事なので、その点は便利です。朝早く起きて活動することは、まわりから見ると大変そうに思われるかもしれませんが、疲れた頭で夜だらだらやるよりも朝の限られた時間を使ったほうが、集中力が増して結果的に早く終わることが多いです。

子育て中だけど復職したいと考えている方に向けてのアドバイス

私の場合、たまたま今の会社に紹介されて時短でキャリアを再スタートすることができましたが、まわりの友達を見ていると一度出産・育児で仕事を辞めてから復職するのは、いきなり時短で入社というわけにもいかないのでなかなか大変なようです。

子育て中で仕事に復帰したいと思っている方に私からできるアドバイスとしては、一度自分のスキルや得意分野を整理してみてはいかがでしょうか。例えばエクセルができるとしても、具体的にどこまでできるのかってなかなか人に伝えにくいですよね。そういったときに自分の作った資料をファイルなどにわかりやすくまとめてみるのです。他の分野でも、クリエイティブ分野の人なら自分の作った作品、営業だったら自分が関わった仕事の具体的な成果など、それぞれの分野ごとに自分の得意なことをまとめた「マイブック」は作れると思います。そうした資料を持って面接に臨むと、採用側の方もその人がどんな人なのか、どんな仕事だったらお願いできるのかイメージしやすいかと思います。ご自身にとってもスキルや得意分野を見つめ直す良いきっかけになると思います。

私自身、子育てをしながら再就職したことで新しい可能性が広がりました。子育て中の方で、もう一度仕事を始めたいと考えているなら、まずは今、自分にできることから行動してみることをおすすめします。