上田愛奈さん|初めてのマネジメント職で身につけた〝平日と週末の使い方〟

「歯科開業医の母親を見て育った経験から、仕事で成功したい欲求が高くなりました」 そう話してくれたのは、株式会社ビズアシ取締役の上田愛奈さん。初めてのマネジメントながらも自分の働くスタイルを確立した上田さんに、平日の“仕事時間”をアップデートするための方法についてお話を伺いました。


意見を出し続けることで自分の企画が事業化

働くうえで意識しているのはどのようなことですか?

 積極的に意見を出すことです。特にこの会社には、どんな意見も真剣に考えて取り入れてくれる環境がありますから。

入社したての頃、周りのエンジニアたちがとても優秀なので「ディレクターの私は必要ないんじゃないですか?」と発言しました。そうしたら「それ新しいね」と、エンジニアだけのチームができて。今ではそれが主流になっています。

その他にも、事業化された企画が。意見を出し続けたおかげです。

子会社が作られるほどの企画力には、何か秘訣があるのでしょうか?

いくつも企画を出していたのですが、ある時上司に「今の施策が小さいから、もっと大きなことをやってみて」と言われました。その言葉で気がついたのです。

それまでは目の前の数字しか見ていませんでした。会社の中の大きな数字と、世の中の大きな数字を掛け合わせたら、新しい発想が生まれて。このことはもちろん今も心がけています。

平日はメンバーのための時間、週末は自分のための時間

初めてのマネジメント職はいかがですか?

それまでリーダーの経験はありましたが、取締役ともなると考えなければならない範囲がすごく広くなって。マネジメントはまったくの未経験だったので、すぐに思考が追いつかなくなりました。

上司には「私だったらどうするか、上の人だったらどう思うか、考えてから提案してほしい」と言われたのですが、その時も、休みなしにひたすら考えていたつもりだったんですよ。そんな時期が続いて、ある日「わかんない!」と爆発したこともあります(笑)

それまでは休み返上で働いていたのですが、その時「このままではまずい」と。これをきっかけに、時間の使い方を変えることにしたのです。

今は、どのように時間を使っていらっしゃるのですか?

基本的に、平日はメンバーのために時間を使い、週末は自分のために使うようにしています。特に土曜日には、家で自分のことについて考えるんです。ノートに、理想の自分と現状を書いて、そのギャップを埋めるにはどうすればいいか考えます。

たとえば「もっと考える時間が欲しい」という理想に対してギャップがあるなら「ムダな仕事はないか」とか「あの仕事は人に任せよう」という解決策を出すようにしています。

平日のオフタイムは、どのように過ごしていらっしゃいますか?

最近は、帰宅してからは本を読む時間に当てています。マネジメントを任されるまでは、自分のことを現場で働きながら、実践のなかで学ぶタイプだと思っていましたが、フレームワークや基礎的な知識を頭に入れておかないと追いつかないと思いまして。その時に抱えている課題を解決するための本を読んでいます。

あとは、お風呂にゆっくりつかってリラックスしたり、寝る前に毎晩アニメを見たり(笑)

日曜日に〝考えない時間〟を作ることで頭をリフレッシュ

日曜日はどのように?

日曜は完全オフ。少々無理をしてでも、週に一度はオフの日を作るようにしているんです。以前は、毎日仕事をして四六時中チームのことを考えていたのですが、考えない時間を作ることで、かえって平日の集中力が増しました。

平日はチームのこと、土曜日は自分のこと、日曜日はオフ、と考える時間をスケジューリングすることで、「今これは考えなくていい」と思考を切り替えることができるようになり、肩の力が抜けました。

最初は完全オフの日を作るのが怖かったのですが、勇気を持って考えない時間を作ることでパフォーマンスが上がったと思います。

インタビュアーの目

仕事の楽しさやビジョンを笑顔で話してくれた上田さん。一度パンクしてしまった経験からとはいえ、〝考えない時間〟を作るのは勇気が必要だったことでしょう。

でも、そのおかげでメンバーのために、より多くの時間や頭を使えるようになったと話してくれました。

大きく環境が変わってまだ間もないですが、短期間で多くのことを学び、自分に合った時間の使い方を見つけられたようです。