共働き世帯増加! 株式会社エスキャリア取締役社長の城梨沙氏が語る「仕事におけるやりがいの必要性と見つけ方」

政府主導の「女性の活躍促進と働き方改革」が打ち出されて4年半、副業やリモートワークなど多様な働き方が認知され、女性の雇用促進にも一定の成果が見えてきました。一方で、共働き世帯の増加によって「働きたいから働く」ではなく「働かなければいけないから働く」という雰囲気が漂っているのも事実。そこで今回は、株式会社エスキャリアで代表取締役を務める城さんに、「出産後の復職時に改めて考えたい、仕事のやりがい」についてお話を伺いました。

「なんのために働くのか」に対する城梨沙の答え

私は「なんのために人は働くのか」という問いに対して、「社会において役割を持つこと」「自分の強みや特性を生かし誰かの役に立つこと」であると答えています。 もちろん働く理由は人それぞれですが、働く=報酬を得る機会と考えるだけではなく、自分が役に立てることで誰かを支援したりすることも「働くこと」と考えています。

地域活動に参加することや、子どもの行事に対して役割を持って参加すること、家事育児を担うことも役割であり、働いていることだと思っています。 働くことで得られるものは、多様な人とのつながりや、社会の一員として活動できる充実感、誰かの役に立てた喜びなど様々な生きていく上で大切な欲求を満たすことでもあると思います。

マズローの欲求5段階説にもある通り、整理的欲求から始まり、安全欲求、所属欲求、承認欲求、そして自己実現の欲求と順を追っていきます。自分が相手や社会に必要とされていることを認識でき、自分の特性や強みを活かすことで更に自分を満たすことができるのではないでしょうか。これは働くことによって得られることだと考えています。

仕事における”やりがい”の必要性と見つけ方

私は、長期的に見て働く上で「やりがい」は必要な要素だと考えています。

短期的なキャッシュのために働く必要がある場合は、その時最大の時間で得られる賃金で仕事を選択することはあるかもしれませんが、 私たちがやりがいと呼ぶ「人が生きていく上で大切にする人との繋がりや、自分のスキルが生かされている喜び」を感じることは、長期的に仕事をする上で大切なモチベーションなのではないでしょうか。

では「やりがい」をどのように見出すのか。結論「自分を知ること」が何よりも重要だと思います。自分は何ができる人で、何が得意で、どのような価値を他者に提供できるのかを考え、自分を認識していれば、自然と身の回りで貢献できる瞬間があることに気付けるようになっていくはずです。

例えば、人と話すことがあまり得意ではない人にいきなり「多くの顧客と話す仕事をして下さい」と言ってもそこに喜びや成果は生まれにくいでしょう。自分が得意なことに注力し、自信を持って働くことで期待以上の成果をあげられるようになるかもしれません。

得るものと手放すものを決め、自分らしく生きる

自分らしい働き方、自分らしい子育ての仕方、自分らしい生き方は、時間とともに変化していきます。多くのお母さんは、仕事(自分らしく過ごす時間)もしたい、子育てもしたい、夫のサポートもしてあげたい、それら全てにきちんと関わりたいという思いが根底にあるかもしれません。

しかし24時間という限られた時間の中で、自分の身には限界があります。 私も出産してから「手放すもの」決めるようになりました。出産後、物理的に自分で使える時間が減り、両立するためには何かを削らなくてはいけません。もちろん全てをやりくりしたい気持ちは今でもあります。ただ、自分がやるべきもの、他者でもいいものを線引きしていかないと上手く回ってはいかないことを学びました。

外に出て働くことも、子育ても十分立派な仕事です。人生の局面ごとに「私はなにを選び、なにに喜びを感じたいのか」を見定めて、できることから一つずつ取り組んでいくことが大切なのではないでしょうか。