漢方で冷え腸を改善しよう!働くママにおすすめな腸温活レシピを紹介

寒い季節がやってきてから、なんとなく調子が良くない…それはもしかしたらこの時期に増える「冷え腸」が原因かもしれません。昔から「冷えは万病の元」といわれ続けているくらい、私たちにとって悩みのタネになります。この辛いお悩みを根本から解消するには腸内環境の改善が重要だと話すのは、日々名もなき不調に悩む多くの方たちの相談に乗っているわたし漢方のさっち先生。どのようにして改善していけば良いのかお話をうかがいました。

その不調…冷え腸のせいかも?

腸は主に消化・吸収・排泄・解毒の働きを担っています。ビタミン・ホルモン・酵素の合成にも関わっており、免疫細胞の70%が集まっているともいわれます。そんな腸が冷えると、消化吸収や排泄トラブルが増えます。

★ 代表的な症状
・下痢
・便秘
・お腹の張りによる不快感
・胃痛
・胃もたれ など

冷え腸からくる二次不調に悩む方も

腸にトラブルを抱えると、⾷べ物からの栄養の消化吸収が充分できないため、体に必要なエネルギーや熱、養分が不⾜した状態になります。この状態が続くと全身の⾎流が悪くなって⽼廃物が滞り、細胞の働きが低下します。

最近では腸で脳の神経伝達物質をつくっていることもわかってきており、腸の働きが悪くなると脳の機能にも影響して、心の不調にもつながるともいわれています。

★ 悪化するとこのような症状の原因にも…
・疲れやすくなる
・⾵邪をひきやすくなる
・アレルギー症状の悪化
・肌トラブル
・むくみ
・肩こり
・頭痛
・月経トラブル
・集中力の低下
・やる気が出ない など

一見関係がなさそうな不調に思えても、詳しくお話を伺っていくと胃腸の弱りを感じていたり、お通じの不調を抱えていたり、冷え腸が要因で不調の連鎖を起こしているケースは少なくありません。

 

漢方理論で考える腸温活

腸を温めて働きを整えていくことで、キレイな⾎液をつくることができるようになり、代謝や免疫機能の向上、ストレスの緩和などにつながっていきます。

漢方における冷え腸対策では温める性質のある⽣薬がよく使われます。
★ ⼭椒・乾姜・⼈参・半夏・茴⾹・桂⽪・膠飴・蘇葉 など

生薬には他にも、利水の働き、気血を補う、気⾎を巡らすなどの薬効、冷やす・温める性質、どの臓腑に働くかなど、さまざまな特徴があります。

漢方医学ではいくつかの基本的な考え方に基づいて、出ている症状だけでなくひとりひとりの体質に合わせた有効なアプローチを選んでいきます。

同じ冷えのお悩みでも上記のような温める処方が合う方もいれば、水分代謝の改善や血流を良くすることで改善する方もいます。

漢方薬を使うにあたってとても大切なのは、自分の体質を見極めて、その体質とお悩みの症状両方に合ったアプローチをすること。体質がわかれば出やすい症状も見えてくるので、特に気をつけたほうが良いポイントや改善方法もはっきりとしてきます。

体質の診断は基礎となる考え方、季節や気候なども参考にして総合的に判断をしていくため、自己判断するのはなかなか難しいので、自分にはどのような漢方薬が合うのかわからないという方はまず専門家に相談してみるのがおすすめです。

 

日常生活に取り入れたい温活術

漢方薬を飲むだけではなく、生活習慣の改善も併せて行うことが大切です。

運動は腸の働きを活発にしてくれるので、ストレッチ、腸もみなどの腸を刺激するマッサージやウォーキングなどの有酸素運動を中心に取り入れていきましょう。普段運動をする習慣のない方はいきなり無理をせず、軽い散歩からでもOKです。

自分の力で体内に熱を作り出すためには筋肉をつける必要があるので、余力があれば筋トレなども取り入れ、熱を自家発電できる身体づくりを心がけましょう。

そもそも身体を冷やさない工夫も忘れずに。薄着を避け、腹巻きやカイロ、湯たんぽなどでお腹や腰回りを温めましょう。夜はシャワーだけでなく湯船に浸かるのもおすすめ。

交感神経が高まると腸の活動も弱くなるので、しっかりと睡眠をとり、ストレスをリセットできるようなリラックスケアが効果的です。

食事と腸温活

消化吸収の役割を担う腸の健康にとって、生活習慣の中でも食事はとても大きな存在です。日々の食事にも目を向けて冷えにくい腸を作っていきましょう。

腸温活には、体を温める性質の食材がおすすめです。

生薬に冷やしたり温めたりする性質があるように、食材にも同じような性質があります。たとえば、キュウリやナス、スイカなど暑い季節が旬の食材は、余分な熱を冷ます性質があります。

冷やす性質の食材を食べるときは、加熱や温める性質のある食材と合わせるなどの工夫をし、身体を中から温めていきましょう。野菜も生野菜ではなく温野菜にしたり、おでんやみそ汁など暖かい調理法を意識するとより良い腸温活が期待できます。

★ 身体を温める性質の食材
・ショウガ
・ニンニク
・かぼちゃ
・玉ネギ
・ネギ
・にら
・しそ
・シナモン など

★ 他にも…
・タンパク質…血肉や体内の熱(エネルギー)をつくる
・発酵食品…乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌
・食物繊維…善玉菌のエサになる など

 

温まる食材を使ったおすすめレシピ

手羽先とショウガのあったか中華スープ
手羽先で作るショウガたっぷり中華スープ。寒い日は身体の中から温まりましょう!

材料(2人分)
・鶏手羽先   4本
・塩      少々
・玉ネギ    150g(1/2個)
・白ネギ    30g(約1/3本)
・ショウガ   20g (1片)
・ニンニク   10g (1片)
・塩      6g 小さじ1
・水      600cc
・クコの実   10g
(トッピング用)
・青ネギ    1/2本
・ゴマ油    小さじ1杯
・黒コショウ  少々

作り方
① 鶏手羽先の皮に切り目を3か所入れ、軽く塩をふる。玉ねぎは薄切りに、白ネギは斜めに切る。しょうが、にんにくはせん切りにし、青ネギは小口切りにする。クコの実は分量外の水で、浸るくらいの量で戻す。
② フライパンに油を入れ、鶏手羽先の皮の方にきつね色に焦げ目がつくまで焼く。
③ 鍋に水を入れ、玉ネギ、白ネギ、ショウガ、ニンニクをいれ、そこに2の手羽先を入れて沸騰するまで加熱し、その後蓋をして弱火で1時間ほどゆっくり煮込む。
④ 鶏肉が柔らかくなれば、塩を入れて味を調える。
⑤ クコの実を入れひと煮立ちさせ器に盛り付けたら、小口切りにした青ネギとゴマ油と黒コショウをトッピングする。