将来の選択肢を広げるために。港区の「卵子凍結費用助成」を知っていますか?

「いつか子どもが欲しいけれど、今はキャリアに集中したい」「将来の妊娠に備えて、何かできることはないか」。ライフプランが多様化する現代、ご自身の身体や将来の妊娠について、漠然とした不安や希望をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
近年、将来の妊娠・出産に備えるための一つの選択肢として「卵子凍結」が注目されています。しかし、言葉は聞いたことがあっても、具体的な内容や費用についてはよく知らない、という方も多いかもしれません。
この記事では、卵子凍結の基礎知識から、港区が実施している手厚い費用助成制度まで、将来を考えるすべての女性に知ってほしい情報を分かりやすく解説します。
目次
そもそも「卵子凍結」って何?
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、妊孕性(にんようせい:妊娠するための力)の高いうちに質の良い卵子を採取し、マイナス196℃の液体窒素の中で凍結保存する医療技術のことです。
女性は生まれたときから一生分の卵子を持っており、新しく作られることはありません。出生時には約200万個あった卵子は、思春期には約30万個にまで減少し、その後も減り続けます。さらに、加齢とともに卵子の「質」も低下していきます。卵子が老化すると、染色体が正しく分配されない現象が起こりやすくなり、妊娠しにくくなったり、流産のリスクが高まったりします。特に年齢を重ねるほど、この変化は加速すると言われています。

(出典)はじめようプレコンセプションケア スマート相談室「ライフデザインのために知ってほしい妊娠と年齢の関係とは?」https://precon.cfa.go.jp/dictionary/fertility/
卵子凍結は、こうした加齢による妊孕性の低下に備え、「今の自分の卵子」を将来のために保存しておくための方法です。主に以下の2つの種類があります。
- 社会的(選択的)卵子凍結:
健康な女性が、加齢による妊娠力の低下に備えて行うもの。東京都・港区の助成制度の対 象はこちらです。 - 医学的卵子凍結:
がん治療などにより卵巣機能が著しく低下するリスクがある場合に、治療前に妊孕性を温存する目的で行うもの。
卵子凍結のメリットと知っておきたいこと
卵子凍結を検討する上で、そのメリットと知っておきたいことの両方を正しく理解しておくことが重要です。
メリット
まず、卵子凍結の大きな利点は、将来の妊娠の可能性を広げられることです。採取した質の良い卵子を保存しておくことで、将来、体外受精によって妊娠できる可能性を高めます。キャリア形成やパートナーとの出会いなど、ご自身のタイミングで妊娠・出産を計画しやすくなるため、ライフプランの柔軟性が増します。また、将来への備えがあることで、現在の生活に安心して集中できるという心理的な安心感を得られるという声も少なくありません。
知っておきたいこと
一方で、卵子凍結にはいくつかの注意点もあります。検討する際には、以下の情報を十分に理解しておきましょう。
- 費用
社会的(選択的)卵子凍結、医学的卵子凍結ともに公的医療保険が適用されない自由診療のため、採卵から凍結までにかかる費用は30万円から60万円程度が一般的です。加えて、凍結した卵子を保管するための費用が年間数万円かかります。 - 身体的負担
採卵前には排卵誘発剤の注射などを連日行う必要があり、採卵手術にも身体への負担が伴います。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用のリスクもゼロではありません。
※卵巣過剰刺激症候群(OHSS):排卵誘発の治療によって卵巣が過剰に反応し、卵巣が腫れるなどの症状が出ることがある状態 - 妊娠が保証されるわけではない
凍結した卵子が必ずしも受精し、妊娠・出産に至るわけではありません。凍結時の年齢によって、妊娠率は変わります。

(出典)BELTAライフステージをあなたと育む「30・40代など年齢別の妊娠確率や平均の妊活期間について」https://belta.co.jp/expert/ninkatsu_meister/30s_40s/
費用負担を軽減!港区の手厚い助成制度
高額な費用がネックとなりがちな卵子凍結ですが、港区では、東京都の助成制度に加えて独自の費用助成を行っており、区民の未来を力強くサポートしています。
最大30万円の補助で、自己負担を半分以下に
卵子凍結には通常30万円〜50万円ほどの費用がかかりますが、港区在住であれば以下の助成を併用できます。
- 東京都:助成金額20万円
次年度以降、保管に係る調査に回答した際に、1年ごと 一律2万円 (令和10(2028)年度まで実施)を予定 - 港区 :助成金額10万円(東京都の助成承認が条件、追加の金額)
ここがポイント!
例えば総額50万円かかった場合でも、助成金を活用すれば実質20万円程度で実施可能です。これまで迷っている方にとっても、後押しとなる助成制度ですね。
港区の助成を受けるための条件
港区の助成を受けるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 申請日の時点で港区に住民登録があること
- 東京都の卵子凍結に係る費用の助成を利用し、助成承認決定まで終了していること(=東京都への20万円分の助成金申請が終了していること)
- 都内在住の18歳から39歳までの女性(採卵実施日時点の年齢)であること
助成を受けるためのステップ
受けるかどうか迷っている方のために、助成を受けるための大まかな流れをご紹介します。

(出典)港区「港区卵子凍結費用助成のご案内」
https://www.city.minato.tokyo.jp/kenkouzukuri/ranshitouketsu.html
ここで重要なのは、費用助成を受ける順番です。最初に東京都の費用助成を申請、受領されていることが必須です。まずは東京都の説明会へ参加しましょう。
全体の流れ
ステップ1:東京都がオンラインで定期的に開催する「卵子凍結に係る費用の助成対象者向け説明会」に参加します。説明会への参加は助成を受けるための必須要件です。
ステップ2:説明会参加後、東京都の調査協力申請を行い、承認決定を受けます。
ステップ3:東京都が指定する登録医療機関で、採卵・卵子凍結を行います。医療機関は港区内に限られず、東京都が指定する医療機関であれば都内のどこでも利用可能です。
※卵子凍結への支援に向けた調査事業登録医療機関一覧(令和8年2月20日時点)
上記をクリックすると医療機関の一覧がダウンロードできます。
ステップ4:卵子凍結が完了したら、必要書類を揃えて東京都へ助成金(上限20万円)を申請します。
ステップ5:東京都から「調査協力(凍結時)助成承認決定通知書」が届いたら、その通知書の日付から3か月以内に、港区へ上乗せ分の助成金(上限10万円)を申請します。申請は原則として電子申請(マイナンバーカード認証が必要)です。
※助成制度の詳細や最新の受付状況、港区への申請に必要な書類については、必ず港区の公式ホームページをご確認ください。
港区・芝浦港南地区の医療機関をピックアップ
品川駅をご利用の方にスムーズにアクセスいただける登録医療機関として、「浅田レディース品川クリニック」が挙げられます。
- 特徴: 港区内でも有数の設備を整えたクリニックです。
- アクセス: JR品川駅(港南口)から徒歩圏内で、お仕事帰りや外出ついでにも通いやすい立地です。
港区内の登録状況
現在、港区内では15の医療機関(クリニック)が「東京都卵子凍結調査事業」の登録医療機関として指定されています。ご自身のライフスタイルや通院のしやすさに合わせて最適なクリニックをお選びください。
【参考】他区でも広がる助成の輪(千代田区など)
港区だけでなく、隣接する千代田区でも同様に手厚いサポートが行われています。
・千代田区の例: 東京都の20万円に加え、区独自で最大10万円の上乗せ助成を実施(合計最大30万円)。※2026年1月時点
このように、現在23区内では独自の助成制度を新設・拡充する自治体が増えています。ぜひお住まいの地域の最新情報をチェックしてみてください。
東京都の他にも、下記の自治体にて社会的卵子凍結の助成金を実施しています。
・山梨県(2024年度より卵子凍結支援事業を開始)
山梨県/卵子凍結支援事業
・大阪府(早発卵巣不全患者等を対象としたAMH検査および卵子凍結保存の助成)
プレコンセプションケアに取組む女性への支援 ~大阪府早発卵巣不全患者等妊よう性温存治療助成試行事業について
・兵庫県姫路市
令和7年度 卵子凍結費用助成事業 | 姫路市
その他、過去に社会的卵子凍結の助成金を実施していた自治体もあります。
・千葉県柏市
【事前登録終了】社会的卵子凍結に係る助成
※今年度応募終了(2026年3月現在)
・千葉県浦安市
※現在は公式ホームページ廃止
まとめ
卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を広げるための一つの有力な選択肢です。しかし、費用や身体的な負担、そして成功率など、事前に知っておくべきことも多くあります。大切なのは、正確な情報を得た上で、ご自身にとって最善の判断をすることです。
ご自身のライフプランとキャリアプランを考える上で、この機会に「卵子凍結」という選択肢について、そして港区のサポート制度について、一度詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
参考
東京都福祉局. 事業の概要|卵子凍結に係る費用の助成. https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/touketsu/gaiyou
港区. (2025). 港区卵子凍結費用助成. https://www.city.minato.tokyo.jp/kenkouzukuri/ranshitouketsu.html

本事業は、MINATOシティプロモーションクルー認定事業として認定を受け、港区の魅力発信をしております。
港区 産業・地域振興支援部 産業振興課 シティプロモーション担当
