松本あゆみさん|仕事を通じて、自分自身の良さを肯定できる

広告代理店の勤務や米国留学などを経て、イベントやWEBを中心としたセールスプロモーションの企画・プロデュース・制作を手がけるスタジオファンに転職した松本あゆみさん。2人の子供を育てながら現在は管理部で人事や採用、労務関連の業務に携わっています。「自分の心に正直に生きる」をモットーに、新しいことにチャレンジし続ける松本さんに、仕事に対しての想いを伺いました。

悩みやもやもやを拾い集め、楽しく働ける環境を作る

人事や採用、社内の制度や環境の改善を進める労働管理などの仕事を担当しています。私が所属している管理部は、会社の業務拡大に伴ってバックオフィスを強化するために設立された新しい部署です。一人で何役もこなし、専門知識を求められるので大変なことも多々ありますが、現在2人の子どもを育てていることもあり、自分のペースを考慮しながら業務を進められるのはとてもありがたいですね。これまで労務関連の仕事をした経験はなかったので、社会保険労務士さんと話し合いながら一つ一つ法律や制度を覚えたりと、常に新しいことを吸収させていただいています。


弊社は社名にもあるように“FUNを追求し発信する”をビジョンに、クライアントなどと議論を深めながらパートナーさん達と協力し合い、イベントやWEBを中心としたコミュニケーション施策の企画・制作を進めています。仕事の裁量が大きく発想力が問われることはもちろんですが、新しい物事に対しても好奇心をもって取り組める気持ちがある人が多く活躍しているように思いますね。ひとりひとりのライフスタイルを尊重しながら、「楽しく(FUN)働くにはどうしたらよいだろう」ととことん考えてくれる会社なので、家庭をもつ女性にもおすすめできる環境だと感じています。


働く時間の制限があり社員とコミュニケーションを取れる時間少ないので、半年に1回社員との個別面談を始めました。コミュニケーションを丁寧に図り、それぞれが抱えている不安や日々の小さなもやもやを人事・労務視点で改善できることはないか、という想いで始めた取り組みです。会社の制度などに対する意見が私のもとに直接届くことで、すぐに改善策を反映できますし、それによって社員のモチベーションがあがり、もっともっとFUNな仕事に繋がればいいなと思っています。また、明確な言葉にはまだなっていない心の中のもやもやを、社員からじっくり聞くことで整理する時間にもなればと考えています。


私自身も会社の制度や働き方について調べたり、社内で意見を交わすなかで、様々な課題が見えてくるようになりました。社員が前向きな気持ちで楽しく仕事ができる環境を整えるためには、給与や休暇制度といったハード面の強化だけでは不十分です。いくら様々な休暇制度が整っていても、それらを取得できるような雰囲気や社内の理解がなければ、効果はありませんよね。社員が気持ちよい環境の中で最大限の力を発揮できるように、これからも常にアンテナをはって情報を収集していきたいと思います。


将来のキャリアについて悩み、立ち止まった20代

インターンシップをきっかけとして、新卒ではインターネットの広告代理店に入社しました。自分の担当業務として求められていなくても積極的に企画書を提案するなど、とにかく仕事漬けの毎日を送っていましたね。「自分に求められている以上のものをやりきりたい」という想いが強かったのだと思います。そこからキャリアアップのために一度転職をしたものの、20代後半を迎えた時、ふと「こんなに仕事ばかりをしてどうするのだろうか」と漠然とした不安を感じました。将来のキャリアプランを明確に抱いていたわけでもなかったので、なんとなく虚しく、刺激がない日々についてもやもやとしてしまったのです。そこでふと心に浮かんだのが、海外留学への道でした。昔から英語をきちんと学んでみたいという願望があったこともあり、当時勤めていた会社を辞めて、アメリカで約1年間英語を勉強することにしました。


正直に言うと、帰国後の就職先やキャリアプランについて、留学前に明確なビジョンや考えがあったわけではありません。しかし当時から大切にしていたのは「常に新しいことにチャレンジし、自分の心に正直に生きる」ということ。将来に対して不安ばかりを抱えて前に進めないのはもったいない。その時その時に浮かんでくるやりたいことを、自分の持てる限りのパワーをもって全力で取り組むことが重要だと感じています。今振り返ってみても、仕事を辞めて留学をしたことは、とても良いチャレンジになりました。


帰国後は結婚などプライベートでも変化を迎えたこともあり、総合広告代理店の事務スタッフとしての契約で約3年間働きました。しかし以前のように仕事の裁量をもち、自分もしっかりと業務にコミットして働きたいと考え、改めて正社員の職を探すように。そんな時にスタジオファンにご縁があって転職することになりました。弊社代表は私が新卒で働いていた時の先輩でもあり、とても尊敬している経営者のひとりです。人とのご縁やタイミングには、本当に感謝しています。


自分自身の良さを仕事が気づかせてくれる

ライフステージが変わりながらも仕事を続けているなかで感じているのは、仕事は自分の良い部分を照らしてくれる大切な存在だということ。例え家庭との両立が大変な時でも、やっぱり私は仕事が好きですね。プライベートでは家の片付けができなかったり、家事が終わらなかったりと自分のマイナスの面ばかりが目について、嫌になってしまう時もあります。しかし仕事ではアウトプットに対して評価をいただいたりと、自分自身の良さを感じることができます。もちろん家事を生活の中心に据えて専業主婦になったり、働くことを一時的にストップする道もあると思います。大切なのは、自分が少しでも仕事やキャリアに対して違和感を感じたら、その原因を考えて、少しずつ改善に向けて行動を起こすことではないでしょうか。


子育てをしながら働くというのは、もちろん大変なこともあります。私の場合は上の子供が受験をすることになり、試験に向けて準備がとても忙しい時期がありました。その時は、塾の送り迎えができるように柔軟な働き方を認めていただき、社員のみんなが理解しサポートしてくれたおかげで乗り越えることができました。働き方などで会社に柔軟に対応していただいている分、最優先に考えているのは、きちんとパフォーマンスを出すこと。何かあったらひとりで抱え込まず、自分の考えや希望の働き方をきちんと相手に伝える、その分自分に何ができるのかを明確にすることが、楽しく働くためのポイントだと思います。