飲み会不参加がキャリアを台無しに!?必要性にとらわれないキャリアの作り方

「飲みニケーション」を辞書でひいてみると、

《飲み+コミュニケーションからの造語》 俗に、酒を飲みながら語らい、親交を深めること

とあります。飲み会=コミュニケーションの場としていることがこの言葉からわかります。暗黙の了解として参加が義務になっている会社は、多いのではないでしょうか。あなたは飲み会をコミュニケーションの場として活かしていますか?妊娠を機に疎遠になり、職場のメンバーと温度差を感じることがある人は多いのではないでしょうか。

今回は、飲みニケーションが最善のコミュニケーション方法であると言っても過言ではない日本の現状と、飲み会に参加できなくても、コミュニケーションでキャリアをプラスにしていく方法をみていきましょう。

数字でみる「飲みニケーション」の実情

2017年度の日本生命のアンケート調査『「飲みニケーション」は必要か?』によると、必要と答えた人が62.0%と半数以上を占めています。

男女別でみると、男性が65.5%、女性が53.7%必要と答えており、男性だけではなく、女性のみでみても半数が必要と答えています。また、年代別では、20代以下、30代、40代はそれぞれ60%前後、50代は64.2%、60代以上は64.9%の結果となっています。

日本社会において、「飲みニケーション」を職場の大事なコミュケーションの場としていることが、アンケート結果の数字に表れています。

また、必要の理由には以下があげられています。

「本音が聞ける、距離が縮められる」︰71.3%
「情報収集ができる」︰37.5%
「仕事の悩みを相談できる」︰31.1%

上司は部下の本音を聞くことができ、部下は距離を縮められることができることが1番の飲みニケーションで得られるメリットといえそうです。

逆に、不要の理由としては、

「仕事の延長と感じる」︰41.9%
「気を遣う」︰38.7%
「お酒が好きではない」33.5%

仕事の話になってしまい、説教を受けることになったといった話も聞くので、デメリットとしては、「ボランティアの仕事」になってしまうことがあげられます。

飲みニケーションに不参加の苦悩

飲み会に参加しないマイナス点はなんでしょうか。

1.疎外感

飲み会での話題や、出来事についていくことはできません。

意外な趣味の話から、上層部は〇〇を強化しようとしているといった話題にもはいることはできません。そうしたことから飲み会から数日間は、疎外感を感じることが多いのではないでしょうか。

2.信頼の低下

飲み会に参加しなかったことが原因で信頼感が低下するとは、とても心外なことと思います。しかし、飲み会でコミュニケーション関係を深める時間を過ごしていないので、参加した他の社員の信頼がアップしたために、自分への信頼が低下してしまったように自分にも、他の社員からも見えてしまうのです。

特に、年配の上司のいる環境や歴史のある伝統的な会社であれば、若い時に夜の飲み会の席で、職場の関係を作ってきた人たちが多いので、どうしても飲みニケーション重視の価値観から抜け切れていないので仕方のないことかもしれません。

みなさんも「以前」は、「飲みニケーション」の必然性や必要性を理解し、お酒の得意不得意にかかわらず、参加し、飲み会をそれなりに意味のあるものにしてきたと思います。

では、「今」も「飲みにケーション」を活かせることができていますか?自身の環境が変わり、自分の判断で参加することはできないのではないでしょうか。参加するためには、やはり家族の理解、協力が必要です。参加できても、「何時に帰るのか?」とプレッシャーを少なからず感じてしまう人が多いのが現状となってしまっているのではないでしょうか。

先ほどのアンケート結果をもう一度みてください。「飲みニケーション」を必要としている理由の部分です。

「本音が聞ける、距離が縮められる」︰71.3%
「情報収集ができる」︰37.5%
「仕事の悩みを相談できる」︰31.1%

この3点は飲み会の場でしか、叶えられないことなのでしょうか。

夫婦円満の秘訣は〇〇

少し話がそれますが、みなさんは夫婦円満の秘訣は何だと考えますか。多くの人は「顔を見て会話すること、コミュケーションをとること」と答えるそうです。

逆に離婚の多くの理由は、「価値観、性格の不一致」と言われ、言い換えれば「コミュケーション不足」です。これは職場でも同じことがいえます。コミュケーションを取らない方が上手くいくなんて職場はないですよね。

人間関係の中で、いい仕事をするにはコミュニケーションを断ってはいけないのです。コミュニケーションを上手に味方につけることがキャリアのプラスになります。飲み会がコミュケーションを取る場といわれることは、先ほどのアンケート結果からもわかるように多いのが実情です。一方で本来「飲みニケーション」は職場のコミュニケーションを円滑にするための場ですが、その場だけがコミュニケーションをとる場なのでしょうか。

毎日顔を合わせ、一緒にしごとをしているので、他の場面でもコミュニケーションをとることは可能です。

「飲みニケーション」をとても大切にしている職場の環境で考えてみますと、参加できない飲み会も出席者と日時・場所の把握をしておき、参加者の中で仕事が終わらなくてという人がいたら、助けてあげてはどうでしょうか。少し残業してしまうことになるかもしれませんが、「飲みニケーション」を大切にしている職場なら飲み会へ行けるようサポートすることもコミュニケーションになります。

また、年に数回の飲み会に参加できるようなら、自分の仕事で足りないものを補うような飲み会に参加するのはどうでしょうか。部下や後輩を育てる立場であるにも関わらず、何を考えているかわからないと悩んでいる場合、部下や後輩が集まる飲み会に参加したり、またいつもは電話でのやり取りがメインの相手とのコミュケーション不足を感じているなら会社主催の忘年会など大きな飲み会に参加したり、顔見て話す機会を作るなど、自分の仕事にプラスになることを考えて参加してみてください。

先述しましたが、飲みニケーションはコミュケーションの1つに過ぎません。通常の仕事の中で、部下、後輩からの情報を引き出し、相互理解を深めるように努めること、上司との会話も多少そりが合わなくてもきちんと向き合って話し合うことがコミュケーションになります。飲み会はそれがしやすい場所と考えられているだけで、コミュニケーションの内容と効率性こそが最も大切なのです。飲み会に参加しただけでは、意味がありません。

無理のない範囲で参加する、参加するならコミュニケーションをとることを意識する、参加しなくてもそれ以外のコミュケーションを意識し大切にすることで、飲みニケーション社会を生き抜いていきましょう。