自分らしさを失う?すぐ側にいる「女子力」という魔物

「女子力アップ!」や「女子力高い!」など、SNSや女性誌でよく目にする「女子力」。しかし女性だからと求められる「女子力」に、違和感や窮屈さを感じる人は多いのではないでしょうか。女性の生き方に「女子力」は本当に必要なのか、探っていきます。

女子の象徴「女子力」の正体

「女子力」とは、

① かわいらしいしぐさ、言動
② ファション、お化粧などの流行に敏感、意識できている
③ 料理、掃除など家事スキルが高い

といった一般的に女性に求められる、できて当たり前と思われる「身だしなみ」や「言動」のこと。

女子力は常に他人からの評価を受け、女子力が高いことが良く、低いことが悪かのように扱われています。しかし、本当に「女子力」は重要なことなのでしょうか。

あなたの横にいる、自由を奪う存在

自由な生き方とは、自分らしく、自分のしたいことをすることです。

海外ドラマなどで、好きな恰好で、好きな仕事をし、誰とでも気さくに話し、プライベートも楽しむ…という自由な生き方に憧れを抱いた人は少なくないはずです。

「女子力」はそのまま英訳すると「girl’s power」になります。これは、女子力がもっている意味とは違った「男子より強い女子!」といったフェミニズム的な※1の意味合いにとれます。

「女子力」は日本特有の感覚です。言い方を変えると、日本の女性は女子力に縛られています※2。 何かを選ぶ時に、他人からの評価を気にしすぎるあまり、自分らしさではなく、人から好かれるものこそ正だと考えられてしまうのです。

もしかしたらあなたも、知らず知らずのうちに親や夫、同僚や上司に好かれる選択をしてしまっているかもしれません。評価は自由の邪魔をすることも少なくはないのです。

※1 フェミニズムとは、男女同権主義に基づいた女性の権利を主張する考え方。1830年代にフランスで生まれたと言われています。
※2 英訳で「女子力」に近いのは「girly」(女の子らしい)「feminine」(女性らしい)でしょうか。やはり「女子力」は、日本特有の感覚でできた言葉のような気がします。

信頼を勝ち取る”シンプル”な思考

仕事やプライベートにおいて、大切なことは「信頼」です。

「信頼」関係を構築するのに必要なものは、シンプルな思考です。仕事でもプライベートな問題でも、シンプルに物事を捉えて、シンプルに答えを出すことです。

女子力に敏感になりすぎると、常に他人という誰かに邪魔をされて、物事の本質が見えなくなります。会社での立ち回り、夫との家事分担など「どうすれば好かれるか」ではなく「どうすれば良くなるか」のみを考えて、目の前の問題に向き合うことです。

また「女子力」の高さは、「女性らしい」ことと比例しません。女性特有の資質である「繊細さ」や「細やかな心配り」、「やわらかさ」は武器にすらなります。他人を気にしすぎることと、他人を思いやることは全くの別物です。

まとめ

「女子力」といった言葉で、他人に振り回されていては、好きなものを素直に選ぶことはできません。自由な生き方とは、自分で選ぶ生き方です。

シンプルに物事を捉えて、自分らしさを大切にし、自分のしたいことをする。一日に数え切れないほど繰り返す意思決定も自分らしく行えば、海外ドラマの主人公に少しは近づけるかもしれません。