遠藤理恵さん|出産の経験は仕事の幅を広げる? 今日から使える”女性CEO”のマネジメント術

CRAZY WEDDINGは「人生が変わるほどの結婚式を」をテーマに、完全オーダーメイドのオリジナルウェディング、そして2019年2月には表参道に「IWAI」という新しい形のウェディングを開業するウェディング事業です。多忙な日々を送る遠藤さんに、一人ひとりが理想を実現するために今日からできるマネジメント術についてお話を伺いました。


社員一人ひとりを輝かせるマネジメント術

CEOとして、メンバーの教育で心がけていることを教えてください。

メンバーと接する時は、考えを押しつけないことを意識しています。ウェディング事業を始めた背景には「意志のある人生を増やす」という哲学があり、それと同様にマネジメントに関してもメンバー一人ひとりがどう生きたいのかを傾聴するようにしています。

もちろん初めからできていたわけではなく、メンバーの考えをついコントロールしようとしていた時期もありました。でも、そんな時は面談をした後もメンバーが納得している感覚がなかったのです。

ですので、私の考えを当てはめるのではなく、あくまで経験やキャリアのある身として情報を提供し、受け取るかどうかは本人に任せています。

考えを押しつけないよう、具体的にどんなことを?

メンバーと1対1で面談をする時は、固定観念にとらわれたり先入観を持ったりせず、フラットな視点で相手に接することができるよう、心を落ち着かせてから会話に入ります。

もう一つは、相手や話す内容によってシチュエーションや場所にこだわっています。オフィスの会議室で話すだけでなく、時には会社を出てランチに誘うことも。開放的な気分で話したい時は、近所の公園に行くこともあります。

経営数値を扱うような内容であれば話は別ですが、人生や考え方について話す時などは外で話すことが多いです。

その日のモヤモヤはその日のうちに解消

日ごろから意識しているのは、どのようなことですか?

私のメンタルの在り方がメンバーに良くも悪くも影響を与えてしまうので、いつもベストな状態に保つことを心がけています。

毎朝、自分の心にモヤモヤしたものがないかどうか自問自答しています。「モヤモヤ」とは本当は気になっていたのに、その場で率直に伝えたり、話し合ったりして解決することができていなかった違和感やそれによって生じる感情です。そういう場合は、その日のうちに対処するようにしています。

モヤモヤを解消する方法を教えてください。

事実と感情に分けて分析するようにしています。小さな違和感などを放っておくといずれ雑念に変わってしまうので、できるだけ早いうちに対応するようにしています。

まず、どの事実に対して自分が違和感を覚えているのかを自己分析します。たとえば、前日にメンバーに言われた言葉が原因だった場合には、次の日、そのメンバーに「あの一言が悲しかった」と話してハグをすれば解消できます。

年に数回はモヤモヤを引きずってしまうこともあるのですが、そんな時は共に経営を担ういわば一つのチームであるボードメンバー(役員)に「こんなことで悩んでいるんだけど」と話しに行くことが多いです。

大抵、私の視座が下がっていることが原因なので、フィードバックしてもらうと解消します。

出産後に健康管理と時間の使い方を見直し

健康管理で気をつけていることはありますか?

出産してから、自分の健康をより意識するようになりました。育休中、仕事の目標の代わりに自分の体重や体脂肪を目標に設定し、まずは食事の見直しから始めていました。これは今も続けています。

おかげで代謝が上がり、食べても太らず疲れにくい体になりました。お昼はできるだけ会社の福利厚生で提供される自然食のランチで。夕食は自宅で摂るようにしています。

何を食べるかも大切ですが、「おいしい!」と感じること、感謝しながらいただくことを特に意識しています。

出産や子育てで得た経験や感性で仕事の幅は広がる

出産後も仕事を続けたいと考えている女性へメッセージをください。

出産した後はキャリアを築きにくいという方もいますが、人生は自分で切り拓いていく力が必要。それには、自分のキャリアを真剣に考え、自分の意志で選択をしていくことです。

もちろん待機児童などの問題もありますが、何かのせいにしても目の前の問題が解決するわけではありません。私自身、出産も子育てもとても素晴らしい体験だと思っていますが、出産はタイミングも重要だと感じています。

自分のキャリアをしっかり考えている人ほど、出産や子育てで得た経験や感性を仕事に活かすことができます。そのためにも、自分の理想とするキャリアをしっかり描いたうえで出産のタイミングをパートナーと考えていくのがいいのではないでしょうか。