ライフステージが変わっても、キャリアの羅針盤は自分で描き続ける

株式会社MANABICIA | 池原真佐子

人材育成や研修を手がける株式会社MANABICIA(マナビシア)を2014年に設立した池原真佐子さん。仕事をしながら海外の大学院でコーチングや組織心理学、リーダーシップを学び、現在は旦那さんが住むドイツと日本の二拠点で生活を送られています。起業や妊娠、家族の海外転勤など様々なライフステージを経て大切にしているのは「自分のキャリアは自分で選ぶ」ということ。そんな池原さんにこれまでのご経歴や今後の展望を伺いました。

ライフステージが変わっても、自主的にキャリアを選択する

これまでPR会社や国際理解教育のNPO、コンサルティング会社などで人材開発に長く携わってきました。在職中はシンガポールの経営大学院「INSEAD(インシアード)」のExecutive Masterに約1年半間通学し、組織心理学とコーチングの修士を取得。通学中は5時に起床し始業時間までカフェで勉強するなど、仕事にも勉強にも集中して取り組みました。MANABICIA(マナビシア)を起業したのは、2014年9月のこと。これまでのキャリアを通じて「人の心を本当に動かせるのは、人との出会いだけではないか」と感じ、人材育成や研修講師派遣の事業をスタートしました。現在は、女性のキャリアを支援する「社外メンター」に特化した、メンター育成事業や、メンターの法人派遣の事業なども行なっています。

起業したばかりの時は「会社をつくるよりも子供をつくれ」という言葉をかけられたこともありましたが、自分の人生やキャリアは自分のものです。進みたい方向を主体的に選択しようという強い気持ちをもって、ひとつひとつ着実に行動にうつしていきました。まさか自分が起業するとは思っていませんでしたが、これまで懸命に取り組んできた仕事が自然とつながり、起業にいたったのだと思います。

できないことをもっとオープンにしよう

会社を立ち上げた後は大変なことも多くありましたが、プライベートでも転機を迎えました。起業して2年経ったタイミングで第一子を授かったのです。さらに妊娠の判明と同時に、夫の海外転勤が決まりました。最初に頭によぎったのは「出産や育児は仕事にデメリットになるのではないか」という不安でした。しかし海外転勤や日本との距離がどうであれ「女性がキャリアを諦める」という前提をいったん置いて、私たちにはどんな選択肢があるのか。夫と一緒に様々な可能性を探っていきました。

最終的に夫は単身海外へ、私が臨月で日本に残ってワンオペ育児をするという結論に落ち着きました。キャリアは主体的に選択できても、出産のタイミングは自分で選ぶことはできません。このような事例はあくまで一例ですが、総じて言えるのは、女性のキャリアはプライベートと密接に関連しているということです。だからこそ何かしらの転機が訪れた時に、一度思い込みを外して、しっかりと自分に向きあい納得のいく決断をしてほしいと思います。

 今では夫がいるドイツに移り、日本を行ったり来たりしながら仕事をしています。子育てをしていると事前に想像できないようなハプニングも多々起こりますが、自分には何ができて何ができないのかを見極めることが重要です。家族や友人、会社の仲間に積極的に助けを求めてみてください。自分ができないことをオープンにすればするほど、助けてくれる人が自然と周りに集まり、問題が次々と解決していくはずです。

自分自身を好きでいられる社会をつくりたい

MANABICIAでは現在、社外メンターの育成と派遣の事業「Mentor For」を展開しています。メンターとは「人生のちょっと先をいく先輩で、アドバイスをしてくれる存在」ですが、あくまで「自分を深く知るため」の一手段です。これまで豊富な経験を積んできた方々から自分を客観視してもらうと、新たな一面を発見できます。メンターのなかには「同じような苦労をしないように、次世代にノウハウや経験を伝えたい」という方も多く、私自身も勉強になることが多いですね。

これまでのキャリアを振り返りながら感じるのは、人生の岐路は大きくジャンプして決めるものではないということ。バスケットボールのピボットのように、常に足を細かく動かしながら、次の目的地を決めてきたような気がしています。完璧を目指しすぎると、身動きがとれなくなってしまいます。昔からやりたいと思っていたこと、家族や友人と話すうちに興味が湧いてきたことなど、自分のやりたいことには積極的に挑戦してみてください。自分と他人を比較する必要はありません。目の前で取り組んでいることに誠意と愛着、そして誇りをもっていると、自然と自信がついてくるはずです。自分が自分を好きな社会でいられるように、すべての人生にスポットライトがあたるように、私自身も行動していきたいと思います。

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