小澤美佳さん|心がワクワクする方を選択することで、人生がキラキラした方向に変わっていく

オンラインアウトソーシング事業などを手がける株式会社ニットに2019年に入社した小澤美佳さん。営業や広報に携わりながら、オンラインでのファシリテーションやマネジメントについてのセミナーなども実施されています。テレワークやリモートワークを通じて新しい働き方を提唱する小澤さんに、これまでのキャリアを選ぶうえで重視してきたポイントについてお伺いしました。

温かみのあるリモートワークをひろげて、自分らしく働ける人を増やしたい

ニットでは営業や人事、広報を担当しています。展開している主なサービス内容は、クライアントから業務の一部をオンラインで請け負うアウトソーシング事業の「HELPYOU」です。それぞれの企業がやりたい仕事に集中できる環境を整えるために、経理や事務、採用や営業のほか、SNSの運用などもサポートしています。

弊社の大きな特徴は、フルリモートワーカーが400人ほど集まる組織ということです。中東の主要都市、エルサレムから仕事をしている社員もいるほど、多様なワークスタイルを取り入れています。今はまだ「9時から17時は会社のオフィスで働く」という考えが根強いですが、場所を選ばすに働けるとなると、社会で活躍できる人はもっと増えるはずです。これまでの固定概念に捉われずに働き方の選択肢を増やし、自分らしい人生を選択してほしい。だからこそ弊社は「未来を自分で選択できる社会をつくること」をビジョンに掲げています。

はからずも新型コロナウイルスの拡大によって、テレワークやリモートワークに対しての認識度や注目度は高まりつつあります。今はまさに時代が大きく変わる転換期だと思うので、ニットが培ってきた経験やノウハウを広くシェアしていきたいですね。

私たちは働くうえでチームで業務に取り組みながら、温かみのあるリモートワークの推進を重視しています。リモートワークというと、どうしてもひとりで孤独に仕事をするイメージがありますよね。ですがビデオ会議システムのZoom(ズーム)でメンバー100人と忘年会をしたり、バーチャルなお花見をしたりと、社内コミュニケーションを工夫するようにしています。今後は業務連絡だけでなく、リモートでも相談や雑談をしやすい環境作りがますます重要になっていくでしょう。こういった各社のリモートワークの推進を支援することで、多様な働き方ができるようになる会社が増えて、もっと自分らしく働ける人を増やして行きたいと考えています。

自分がワクワクする方を選択する

私自身のキャリアを振り返ると、縁と運とタイミングが重要なキーワードになってきたように思います。大学卒業後は2008年にリクルートに入社し、10年ほど営業やチームのマネジメント、そして採用に携わりました。なかなか仕事がハードな時もありましたが、そこで大事にしていたのが趣味の海外旅行でした。これまでに60カ国以上を訪れたなかで、非日常の環境に身をおきながら自分自身に向き合う時間は私にとってとても重要だったように思います。

旅先では本当に色々な人に出会いました。そして中米のベリーズで知り合った方から、一緒に観光関連の事業を立ち上げないかと声をかけてもらって。人生は一度きり、一度は海外に長期間住んでみたい。趣味を仕事にしたらどうなるのだろう。自分の好奇心に突き動かされた結果リクルートを退職し、ベリーズで働くことを決めました。

とはいうものの当時はちょうど30歳を過ぎたタイミングでもあったので、プライベートと仕事の両面で色々と考えていて。会社の同僚とともに婚活にも取り組み、実は結婚を考えていたパートナーも日本にいました。

自分がどうしたいのかすごく悩みましたが、何かの決断に迷った時こそ大切なのは、自分の心に正直になることだと思います。どっちがよりわくわくするのかと考えたとき、このタイミングで目の前に現れた海外就職のチャンスに挑戦したいと考え、ベリーズへの渡航を決めました。

選択に悩んだときはじっくりと自分の気持に向き合うことが大切だと思います。こうした方がいい、こうあるべき、という思考を取り払って、気持ちに素直になると納得のいく選択ができると思います。

未来を無駄にしないために必要なのは、過去の経験に捉われないこと

ベリーズに移住をしたのは2018年1月。現地の観光関連の会社に入った後、現地で起業もしました。しかし1年半ほど頑張った頃、ベリーズでの仕事にやりがいを感じつつも、元々心に抱いていた「人のキャリアをキラキラさせることに貢献したい」という気持ちが大きくなっていきました。そしてたまたま日本へ帰国したタイミングで、元々知り合いだったニットのメンバーとお茶をすることになって。そのまま代表と引き合わせてもらったことがきっかけで会社をより深く知ることになり、ビジョンや世界観にとても共感したため、入社を決めました。日本へ帰国することに対して、後悔はほとんどありませんでしたね。

みなさんの中には「これまでせっかくやってきたことを途中でやめてしまうのはもったいない」と考える方もいらっしゃると思います。ですが迷ってウジウジしている時間も、「違うな」と思っていながらズルズル続けている時間も、すごくもったいない。過去の経験を捨てることが「もったいない」という気持ちに縛られていたら、未来の時間まで奪ってしまいます。迷った時の心の天秤は、いつもどちらかに傾いているものだと思います。

後悔がなかったと今でもはっきりと言えるのは、自分がやれることは精一杯取り組んだという実感が根底にあったからです。東京都内で人気の高いチョコレート店にアプローチして、ベリーズのカカオ農園とコラボレーションした商品を開発するサポートをしたり、近隣国メキシコに住む日本人向けのフリーペーパーにベリーズの観光特集を組んでいただいたりもしました。また日本のダイビング雑誌に対して企画を自ら提案し、様々な取材をコーディネートさせていただきました。やはり自分が挑戦してみたかったことに思い切り挑戦できた経験は、その次のキャリアにもつながっていくと思います。

これは女性に限った話ではないと思いますが、残念なことに結婚や出産、そしてパートナーの転勤などが理由で希望するキャリアを描けなかったり、挑戦できない環境にいる人たちが多くいることも事実です。そんな時に鍵になってくるのが、テレワークやリモートワークといったニットが考えている新しい働き方ではないでしょうか。様々な制限に捉われずに意思をもって働き方や仕事を選べる人が増えたら、人生をもっと輝かせられる人も増えてくるだろうと確信しています。

私自身も未来を見据えながら足元をしっかりと固めつつ、新しい働き方の提唱を通じて、これからも多くの人々の人生の選択肢を増やすサポートをしていきたいです。