由利可南子さん|チーム全体のパフォーマンスを左右する〝ミーティングで一番大切なこと〟

人事評価・分析クラウドサービスを展開する株式会社HRBrainで執行役員を務める由利可南子さん。事業を推進する立場になった今も大いに役立っているのが、新卒で入った会社で繰り返し教わった「ミーティングのポイント」なのだそう。最小の時間と労力で最大の成果を生み出す方法についてお話を伺いました。


ミーティングでもっとも大切なのは「チーム内のタスクを明確にすること」

タスク管理のポイントを教えてください

すぐ終わるものはすぐにやる、が基本です。毎朝、出社したら今日やるべきことを確認するのですが、メール返信など10分以内で終わることから先に、集中して処理。こまごましたことを全部終わらせてから、企画案など〝考える系〟の仕事に取りかかります。

また、ミーティングの設定や連絡など随時発生するタスクは、発生した瞬間にすべて片づけるようにしています。忘れるリスクや、早くしなければ、とプレッシャーを感じ続ける心の負担に比べたら、すぐに片付けてしまうほうがよほどラクです。

仕事を円滑に進めるために心がけていることを教えてください。

ムダな時間はなるべく減らすこと。そのために気をつけているのがミーティングです。ミーティングが終わったら自分は次に何をするべきかが明確にわかるまで、その場を離れません。これは新卒で入ったサイバーエージェントで教わりました。

ミーティングのたびに「今、この場から離れたら何をすればいいかわかってる?」と聞かれるのです。「自分はこれを持ち帰って今から何をする、誰に何を確認してどう進める、という先々のスケジュールや流れがはっきりイメージできるまでその場を離れるな」と。

ボーッとして突っ込まれたくないので、必ず実行するようにしました。おかげでそれが身について、今も変わらず実践しています。自分だけでは意味がないので、ミーティングに参加した全員のタスクを明確にします。

ミーティングが終わってから「あれ? 結局何をするんだっけ」みたいな感じになると、話していた人に確認をする時間をとる、同じようなことをまた一から思い出す、確認することを覚えておく、実際会いに行く、とタスクがたくさん発生します。もちろん移動という行為も時間も。それが本当にムダだと思っているので、できる限りその場で、わからないことがまったくない状態くらいまでイメージをつけろ、と新卒の時に繰り返し言われました。


1対1の話ならまだしも、3人、4人となると、責任の所在があいまいになっていくことが多くあります。そうなった時、これはたぶんタスクだ、というものが出てきたら、「じゃあこれ、誰がやる?」「これは誰がやるんだっけ?」と、その場で一つひとつ責任の所在を明らかにするのです。自分のタスクについては、どうしたらそれが実現できるか、というところまで完全にクリアになるよう、その場で質問し続けます。

そうでないと、その時間に自分がそこにいた意味もないし、その後の価値ももちろん提供できません。個人的に、何回も同じ会話をするのが嫌い、という性格もあるのでしょうが。

また、ムダな作業や時間をなくすため、意図を正しく理解してから着手することを心がけています。たとえば仕様に関する質問や修正の希望があった時、相手がどのような意図で言っているのか、どうしてそう思うのか、わかるまで質問します。背景まで理解できるように意識することが、的確でスピーディな仕事につながると思います。

人生のコンセプトは「なんでも楽しく」

ストレス軽減のために実践していることはありますか?

食事はほとんど自炊ですが、仕事帰りに買い物に行ったり重いものを持ったりしたくないので、食材の宅配を利用しています。時間と労力のロスがなく、心身の健康にとても役立っています。

リラックスに欠かせないのが、お風呂。毎晩1時間以上、冬になると2時間入っています。バスソルトを入れたお湯につかって、本を読んだり端末で映画を観たり。めちゃくちゃ汗をかくので、リフレッシュにもなります。

お風呂あがりには必ずマッサージとストレッチ。これもまた1時間くらい。寝るまでのこのルーティンは、1日の疲れをリセットする貴重な時間です。

生きていくうえで大切にしているのはどんなことですか?

基本的に、なんでも楽しくやりたいと思っています。やるとなったら妥協せず、とことん楽しむ。ホームパーティを開く時にもパワポで資料を作ります。壁のデコレーションやテーブルコーディネートをシミュレーションして、色あいや統一感を研究。海外から装飾品を取り寄せたり、おしゃれなケータリング業者を探して数社から見積もりを取ったり。 来た人が喜んでくれるのはもちろんうれしいですが、自分の満足のためが一番強いです。「がんばったからほめて」とみんなに言ってほめてもらったら、任務完了(笑)

そんなふうに「目の前にあることをより楽しくするにはどうしたらいいかなあ」といつも考えています。

より楽しくするために実践していることはありますか?

私は組織で働いていますので、組織で成果を出せることが重要だと思います。それを楽しくするには「みんなでこの成果を出したよね」という空気感を作れることだと思っていて、そういうふうにするにはどうしたらいいか、みたいなことをよく考えたりしています。

一人ひとりの役割ももちろんそうだし、「あなたの意見が役に立った」のような承認を細かくする、といったことは意識的にやっているかもしれません。意見を出してくれたことに対して、まず感謝。それを採用しなかったとしても、しないという決定をしただけでもメリットであるような感じにもっていき、「みんなで作ったよね、これ」みたいな空気にしたいのです。そのほうが、会社の飲み会が楽しくなります。

みんなが楽しくしているほうが楽しいから、みんなが「自分もがんばった」って、飲み会の時に思えるように。それまでも「あなたもちゃんと貢献している」という気持ちをそれぞれが持てるよう、結構考えている気がします。

人事担当者・経営者向け

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東京都港区北青山3-6-8 ※東京メトロ表参道駅B5出口、地下通路直結
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