働く母をもつ子供の方が〇〇!? データに見る母が働くメリット・デメリット

 結婚、出産…いずれも女性にとって重要なライフイベントです。中でも出産、そして育児は、毎日の暮らしを大きく変化させます。そんな中で女性たちが悩む、「キャリア」と「子育て」のバランス。キャリアを追い求める女性が増え、専業主婦という選択が多くなくなってきた今だからこそ考えたい「キャリアを追いかける母のもたらす子どもへの影響」。子育てをしながらキャリアを追い求めることのメリットとデメリットについて見ていきます。

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多くのキャリアウーマンが悩む子どもへの影響

バリバリ働きたい母が子育てをしていく際に最も気になるのは、自分が働き続けることによってもたらされる子供への影響なのではないでしょうか。「私が家にいて、子どもに毎日寄り添えたら…」「でもキャリアは諦められないからどうしようもない…」と悪循環な考え方に陥ってしまうかもしれません。しかし、それを否定する発達心理学のレポートがあります。

生後4ヶ月から小学校入学までの6回、5000人の子供の定期検診を行い、心身の発達状況を追跡研究した『乳幼児の心身発達と環境-大阪リポートと精神医学的観点(名古屋大学出版会/服部祥子・原田正文)』によると、「母親の就労の有無や就労形態は、子どもの心身発達のどの面についても差をもたらさない」ということが判明されています。つまり母が働くことによる子どもへの悪影響は特に見当たらなかった、ということです。さらに「働く母親を持つ子供のほうが独立心が高い」といった結果も出ています。

働く母と働いていない母、子育てにおける違いって?

働く母と働いていない母では、子育てにおいてどのような違いがあるのでしょうか。働いていることでのメリット・デメリット、働いていないことでのメリット・デメリットを考えていきましょう。

働く母のメリット(1)収入がある

働き続ける女性と、専業主婦になる女性の生涯賃金が1億円の差があるという話をご存知でしょうか。そして、出産から22年間にかかる子どもの養育費は、一人当たり平均総額約1,640万円です。男性が安定的な収入を得続けられるかわからない時代だからこそ、パートナーと二人分の収入があるだけで、子どもに機会を与えられる可能性は確実に高まります。

働く母のメリット(2)生活にメリハリが出る

育児だけをしていると、社会との接点が減ってしまったり、単調な毎日になってしまいかねません。しかし働く母は外に出ることで意識も切り替えます。仕事のためのメイク、服をきちんとするなど外見のメリハリが出ます。また、いつ買い物に行き、いつご飯を作ればいいか、といった時間の使い方をよく考えるようになり、常に効率を意識した毎日を過ごすことができます。

働く母のデメリット(1)子どもと過ごす時間が少なくなる

単純に考えても会社にいる8時間は子どもと過ごせません。その間一緒に遊んだり、初めてのハイハイといった子どもの成長のシーンを見逃してしまうこともあるかもしれません。

働く母のデメリット(2)体力的にきつい

やらなくてはならないことが専業主婦より増えれば、それだけ体力がきつくなるのは想像できます。出勤に合わせて起床時間が変わったり、専業主婦であれば昼間に出来ることも、退社後に行うことになります。貴重な休日の過ごし方も考えなくてはなりません。忙しくて疲れてしまい、どちらもおろそかになってしまう可能性は注意したいですね。

一方、働いていない母はどうでしょうか。

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働いていない母のメリット(1)子どもと長く過ごせる

何よりも自由な時間が多いことは専業主婦のメリットです。ゆっくり買い物をして、子どもの歩調に合わせて散歩して、興味を持つものを教えたり付き合ったりできます。もちろん自分の時間を長く取ることもできますよね。

働いていない母のデメリット(1)家事の分担などができない可能性がある

夫は外で働いて稼いでくる。私は育児と家のことをやる。というようにくっきりと分かれてしまい、家でパパは何もしないという状態になってしまうかもしれません。

働いていない母のデメリット(2)収入が夫の収入のみになる

やりくり上手になるかもしれませんが、収入がパパのみになるのは大きな差です。子どもを持ちたいと考えるのであれば、夫婦2人分の給料と片方だけの給料では、子育てにかけられるお金はかなり変わってきてしまいますよね。

働く母の背中による教育

では、働く母を見て育った女性たちは、母の姿をどのように捉えていたのでしょうか。

日本経済新聞内のプロジェクトである日経DUALが行なった「母の日」に関するアンケートを参照してみましょう。

「生後2カ月から保育園に預けられましたが、母の働く姿を見て育ち、女性も定年まで働くのが普通だと思っていました。母はよく『いつ離婚や事故で生活が困るか分からない。女も働いて自分で生きていけるようじゃないと』と話していました。結婚し子どもも2人できましたが、おかげで仕事を辞めることはみじんも考えたことがありません」(千葉県の女性、30歳)

「働く母親の姿を、私に刷り込んでくれたことに感謝しています。母が私を置いて働きに行くことを寂しく思ったことがない、とは言わないけれど、今、自分が同じ立場になって、あのときの母ができたのだから、と励みになっている部分が少なからずあります」(東京都の女性、41歳)

「たとえ結婚しても自分で毎日の糧を得ること。経済的な基盤が自由をもたらすこと(女性の生き方の選択肢を増やす)。子育てをしながら働くのが大変なのは当たり前だということ。働き続けるという意識が大事だということ──小さいころからこれらを刷り込んでおいてくれたお陰で、当たり前に働き続けています」(東京都の女性、43歳)

子育てをしながら働き続ける母親の姿を見て育った人の中には、「働くのが当然」と思うようになった人も多いようです。

「母親でありながら働き続けることの大切さを教わりました。子ども達にも苦労はかけていますが、私もこのまま働く母の背中を見せ続けていきたいと思います」(千葉県の女性、32歳)

「母から教わったのは、女性も働くこと、働き続けることです。女だから、結婚したから、子どもがいるからといって辞めないこと。『女も自立しなさい、仕事を辞めるのは簡単だから働けるなら働きなさい、やめたらもったいない』と、子育てしながら仕事していることに罪悪感を抱える私に言ってくれます」(東京都の女性、31歳)

このように、働くママの背中は、子どもたちに良い影響を与えているといえるのではないでしょうか。 子どもを持って働き続ける・仕事をやめるのは個人の自由ではあります。しかし子どもにとって一番身近な大人であり、人生の先生でもある親の背中は、親自身が思う以上に影響を与えているのかもしれません。 パートナーと相談し、自分の声に忠実に、キャリアを選択して行きたいですね。

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