つわりがつらい!仕事の対処法と会社に妊娠報告をするタイミング

妊娠が分かって喜んだのもつかの間、吐き気や眠気といった体調不良のつわり症状に悩まされます。仕事をしている女性にとって、つわりが原因で仕事を普段通りにこなせなかったり、体調不良を原因に仕事を休んだりするのに罪悪感を覚える人が少なくありません。また、安定期に入っていない段階でつわりが始まるため、いつ会社に報告するべきかで悩む人も多いのです。ここでは、妊娠してつわりがつらいときに適した対処法や仕事を休むべき目安、会社に妊娠報告をするベストなタイミングについて紹介していきます。

症状や度合いは十人十色!つわりの原因と主な症状を理解しよう

つわりと言えば吐き気を想像する人が多いのですが、その症状やつらさは人によって大きく異なります。つわりは妊婦さんの半分から8割に起こると言われており、一般的に妊娠が発覚する6週頃から始まります。妊娠によってホルモンバランスが大きく変化することや自律神経の乱れがつわりの主な発生原因ですが、その詳しいメカニズムは解明されていません。そのため、症状の表れ方や度合い、つわりで苦しむ期間は個人差が大きいだけでなく、同じ人でも第一子や第二子とでは症状の表れ方が異なることもあるほどです。

次に、つわりの主な症状について理解しておきましょう。つわりの代表的な症状の一つが吐き気です。常に胃や胸がムカムカして、食事やおやつを食べると吐いてしまったり、水を飲むだけでも吐き気がしたりします。また、空腹になると吐き気を催すため、常に何かを口に入れていないと吐き気を感じる食べづわりという症状もあります。 匂いに対して敏感になるのもつわり特有の症状の一つです。妊娠前はそれほど気にならなかった匂いでもつわりによって、急に不快に感じるようになります。よく聞かれるのが、ご飯が炊けるときや調理中の匂いです。他にも、お気に入りだったシャンプーやアロマの香りを嗅ぐと吐き気を催すなど、症状の表れ方はさまざまです。

他にも、食べ物の好みが変わるケースも見られます。これまで好んで食べたり飲んだりしていたものを急に受け付けなくなったり、逆に好んで食べなかったものを無償に食べたくなったりします。 だるさや眠気を感じるケースも少なくありません。少し身体を動かしただけでも疲れたり眠くなったりします。仕事中に急激に眠気が襲ってくる、眠気に伴い頭痛が起こることもあります。また、自律神経が乱れることや妊娠や出産に対する不安などから、ちょっとしたことでもイライラします。

このように、つわりは多くの妊婦さんを悩ませる症状が起こるため、妊娠前と同じような仕事や生活を続けるが難しくなるのです。

つわりがつらくて仕事ができない!体調不良のときに試してみたい対策

つわりが始まると、ときには仕事をするのがつらいほど体調が悪くなります。とはいえ、つわりで仕事を休んでいいものか、トイレにばかり行っていてさぼっていると思われないかなど、周りの目が気になってしまうでしょう。何をしても体調が良くならないこともありますが、やり方次第で体調不良を和らげられます。

つわりの症状で多い吐き気については、気持ちが悪くなる状況や時間帯を理解してそれに合わせた対策をとることで症状の緩和が期待できます。特に多いのが、満員電車で気分が多くなるケースです。ピークを避けて通勤する、気分が悪くなったらすぐに外に出られるように出入り口に近いところにいるようにします。妊娠初期はお腹も目立たたないため通勤時に気分が悪くなっても、満員電車の場合は席を譲ってもらうのが難しいのが現状です。そこで、妊娠時に配布される妊婦マークをカバンに付けておくことで、席を譲ってもらえる可能性が高くなります。 また、通勤途中や帰宅途中で気持ちが悪くなったら途中下車してトイレに行く、会社に着いたらトイレに直行するといったように気持ちが悪くなったらすぐにトイレにかけこむようにしておくと吐き気を抑えるのに効果的です。

他にも、起床時に空腹を感じて気持ち悪くなって起き上がれないケースも多いため、起きてからすぐに食べられるものを置いておき、起床後にすぐに口にすると気持ち悪さが落ち着きます。氷を食べると吐き気が落ち着く、酸っぱい飴やグミを食べるとムカムカが治まるといったように、特定の飲み物や食べ物によって吐き気の症状が和らぐ場合もあります。いろいろと試してみて、吐き気対策に役立つ食べ物や飲み物が見つかったら、通勤や帰宅時、仕事中にも口に入れられるように常に持ち歩くようにしましょう。 何かを口にしていないと吐き気がするという食べつわりの場合は、簡単に口に入れられるものを用意しておくことです。食べつわりの場合、食べすぎや食べ物の種類によって胃腸に大きな負担をかけてつわりを悪化させるリスクがあるため、食べる量や食べる物に注意が必要です。仕事中は食べ物を口にするのが気が引けるという理由で、一度にたくさん食べようとする人もいます。しかし、消化に時間がかかると胃腸への負担が大きくなるため、一度に食べる量を少なめにして、小まめに食べるのがおすすめです。

服装が吐き気を悪化させる原因になっている場合があるため、ゆるめのファッションを心がけましょう。職種にもよりますが、スーツやパンプスなど身体を締め付けるファッションを身に付ける人が多く見られます。しかも、妊娠初期はまだお腹も目立たないため、マタニティ用ではない洋服を着用するケースがほとんどです。しかし、身体を締め付けられることで血の巡りが悪くなるとつわりが悪化する可能性が高いため、ウエストゴムや伸縮性の高い洋服を選ぶ、ローヒールの靴を履くなどしてゆったりと過ごせる洋服を選ぶようにします。

匂い対策として、気分が悪くなる匂いをできるだけ遠ざけるようにします。職場でのランチタイムでは、他の人が食べているものの匂いで気分が悪くなる可能性があるため、自分だけ別の場所でランチをとるのも手段の一つです。また、自分が食べるものも温めるよりも冷たい状態のほうが匂いを感じにくくなるため、できるだけ冷やして食べるようにします。他にも、職場の人が付けている香水や満員電車の匂いで気分を害する恐れがあります。そのようなときは匂いを発している相手とできるだけ距離をとるか、マスクを重ねるなどして、苦手な匂いに触れないようにする対策をとりましょう。ミントや柑橘系のアロマの香りを嗅ぐと吐き気が落ち着くという人もいますので、吐き気が落ち着く香りを探して常時持ち歩くのもおすすめです。

仕事中に眠気が襲ってきたときは、軽い運動と適度な休息で乗り切ります。眠気は自律神経の乱れによって引き起こされているため、交感神経の働きを活性化させることで頭をスッキリさせられます。眠気が襲ってきたら、軽くストレッチをしたり、職場内を歩き回ったりするだけで交感神経が刺激されます。また、冷たい水で顔を洗う、誰かと意識して会話するだけでも眠気が治まってきます。疲れが溜まっていると眠くなりやすいので、無理せず早めに寝ること、休憩時間中に昼寝をするなどして身体をしっかりと休めることも大切です。

つわりの症状には個人差があり体質などのさまざまな要因が関係していますが、生活習慣の乱れやストレスによってつわりが悪化すると言われています。つわりを引き起こす要因の一つに自律神経の乱れが関係していますが、自律神経はストレスによる影響を強く受けます。妊娠中は喜びが大きい反面、戸惑いや不安も付きまといますので、ストレスが溜まりやすい環境です。仕事で無理をするとさらにストレスが溜まってしまうため、仕事で過度なストレスがかからないように、早めに周りに相談しておくことをおすすめします。 特に、初めての妊娠は、喜びよりも不安が大きくなりがちです。妊娠したら赤ちゃんのためにもしっかりと栄養を取らなくてはいけないと思っている人もいますが、つわりの時期に栄養バランスに配慮して食事をするのは大きなストレスになり得ます。つわりは食べ物の好みに偏りが出やすいため栄養バランスを気にするよりも、まずは無理なく食べられるものを食べることが大切です。

また、仕事や同僚との雑談が気分転換になり、つわり症状の緩和になることもあります。気分が良くランチを一緒にとれそうなときは、積極的に同僚や職場の人と会話してみましょう。

こんなときは無理しないで!仕事を休んだ方がいいつわりの症状

つわりは多くの妊婦さんが経験するものですが、症状がひどい場合は無理せず仕事を休みましょう。つわりが重症化したものを「妊娠悪租」と呼んでおり、場合によっては意識障害や脳の後遺症に発展する恐れがあるため、妊娠初期の無理は禁物です。勤務先につわりによる休暇制度がなかったとしても、医師や助産師が必要と判断した場合は仕事を休めるのです。

以下のような症状が見られたら、無理せず会社を休み病院で適切な治療を受けることをおすすめします。 まずは、何度も繰り返して吐く場合です。何を食べても飲んでも吐くような場合、栄養が不足するだけでなく水分不足で脱水症状になるリスクが高くなります。また、胃腸がムカムカして食べ物や飲み物を全く受け付けない、体力が低下して歩くこともままならない、倦怠感が強く出ているときも無理せず仕事を休みましょう。体調が悪い状態で出勤したとしても、ミスをする確率が高くなり、周りに迷惑をかける可能性があります。つわりは一時的なものですので、無理して仕事に出るのではなくしっかりと休んで体調を回復させてから仕事に戻ることを優先させましょう。

かかりつけの産婦人科につわりのことを相談すると、妊婦さんの体調を確認して適切な治療を提案してくれます。投薬などで改善が見られない場合は、入院による治療が行われます。 また、つわりで仕事を休むことになった場合は、安定期に入る4カ月頃(妊娠15週)まで安静に過ごすように指示されるケースが多いです。一般的につわりのピークは妊娠7~12週ですが、人によっては安定期に入ってもつわりが続く場合があります。安定期に入ってもつわりが長引けば仕事に支障が出てしまいます。つわりの症状がつらくて仕事を休まなくてはいけないときは、安定期に入るまでが目安ですが会社との話し合いや体調によって決まるケースがほとんどであることを覚えておきましょう。

妊娠中はつわり以外のトラブルが起こる可能性があるため、症状によってはつわりのように仕事を休む必要が出てきます。例えば、動悸や息切れが起こっている場合は妊娠貧血、最高血圧が160mmHg以上、最低血圧が110mmHgの場合は妊娠高血圧といったような症状でも仕事を休むように医師から指示されることがあります。妊娠22週未満で流産を起こしそうになっている切迫流産が起こると、赤ちゃんに危険が及ぶため安静にするように求められます。安定期に入ってしまえば安心かと思われがちですが、妊娠22週以降も切迫早産となり急遽入院が必要となる場合もあります。

本当は産休前まで仕事を続けるつもりだったとしても、体調や赤ちゃんの状態によっては会社を休み、そのまま産休に入るようなこともあり得ることを理解しておきましょう。

周りの理解が不可欠!会社への報告は初期にするのがおすすめ

安定期になるまで職場や周囲の人に妊娠したことを告げない人もいますが、つわりの時期を安心して過ごすためにも会社には早めに報告することをおすすめします。つわりの症状は人によって異なり、しかも、どの程度つわりが続くのか誰にも予測できません。そこで、妊娠が分かり次第、まずは直属の上司に報告しましょう。会社は男女雇用機会均等法を守る義務がありますので、妊婦さんに配慮した対応をとってくれます。 例えば、作業の軽減もその一つです。職種によっては長時間の立ち仕事を行ったり、重たいものを持ったりと身体への負担が大きい作業が中心となります。身体に負担がかかると、つわりの症状が重くなるだけでなく、赤ちゃんの発育にも悪影響が出る恐れがありますので、デスクワークなど身体への負担が少ない仕事に変えてもらえます。

また、匂いなどの職場環境によってつわりの症状が重くなる場合は、作業環境の変更を申し出ることができます。それでも体調がすぐれないときは、希望により勤務時間の短縮や休業が認められます。つわりの症状がつらくて出勤時間に間に合わないときに時差通勤をする、身体への負担を考えて勤務時間を短縮したいときなど、1日1時間程度勤務時間を短くできます。

他にも、つわりの症状が悪化して妊娠悪租と診断されたときは、医師の指導に基づいて、症状が軽くなるまで休業が認められます。 早めに妊娠したことを伝えておくと、つわり中でも安全に働ける環境を整えてもらえます。妊娠前までは問題なく行っていた作業でも、妊娠により仕事の継続が難しくなる場合がありますが、業務内容や環境を変えてもらうことで無理なく働き続けられます。

また、つわりの時期は体調が変わりやすく、場合によっては仕事を休むことも出てきますので、事前に事情を伝えておけば無理して出勤する必要もなくなります。環境が許せば、つわりの期間だけでもテレワークをお願いしてみましょう。つわりの時期に満員電車に揺られて通勤するのは、かなりの負担がかかります。テレワークであれば自宅にいながら仕事ができるため、通勤による負担やストレスを軽減でき、体調が悪化したときも身体を休める環境をつくれます。 このように体調の変化に柔軟に対応しながら働ける環境を整えられるため、妊娠中に必要以上に無理をする必要がなくなります。また、上司だけでなく同じ部署で仕事をしているスタッフには、自分が急に仕事を休んだり、早退や遅刻をしたりすることで、迷惑をかける恐れがあるため妊娠の事実を早めに伝えておくことをおすすめします。

他の部署の人や同僚など、安定期に入ってから妊娠したことを告げたい場合は、上司や同じ部署の人に他の人に口外しないように伝えておくと安心です。 会社の上司に妊娠報告をするときは、産休や育休制度の有無、出産後の仕事について相談することも大切です。産後も仕事を続ける意思がある場合は、妊娠を報告した段階で上司に伝えておく必要があります。ほとんどの会社で産休や育休の制度が用意されていますが、場合によっては利用できないケースもありますので、担当部署に確認してみましょう。育児休暇を取得する場合は、いつまで取得するのかをある程度決めておくことです。一般的には子供が1歳の誕生日を迎えるまでのところが多いのですが、最大で3年育児休暇を取得できる場合もあります。ただし、保育園の入園状況によっては育児休暇を延長せざるを得ないケースが考えられますので、自治体の保育園情報も合わせて調べておくと復帰の見通しを立てやすくなります。 可能であれば、復帰後のことも相談しておきます。子供が3歳になるまでは、1日6時間の勤務となる時短勤務が法律で認められています。

育児と仕事の両立に慣れるまで、子供との時間を大切にしたいといった理由で時短勤務を選べます。ただし、時短勤務により収入が減る、任せられる仕事に制限が出てくるといったデメリットも生じます。復帰後の勤務時間については、上司や一緒に働くスタッフの理解が必要ですので、早い段階から相談しておくことをおすすめします。また、現在在籍している部署が残業が多い、肉体的・精神的負担が大きい場合は、復帰後の部署移動を相談してみましょう。

つわりの時期は自分や仕事のことよりも赤ちゃんを最優先に!

つわりの時期は体調の変化によって、仕事に支障が出ることがあります。だからといって、この時期に無理をすると身体に大きな負担がかかってしまい、赤ちゃんの発育にも悪影響となります。この時期は自分や仕事のことよりも赤ちゃんを優先しましょう。

仕事を休んだり短時間勤務にしたりすると、周りに迷惑をかけていることを心苦しく感じます。しかし、まだ安定期に入っていないので、無理をして仕事を続けると赤ちゃんの命を危険にさらすことになります。万が一のことが起こって後悔しても遅いので、つわりの時期は仕方ないと割り切って休むことも大切です。

つわりが落ち着いて安定期に入ると今まで休んだ分を取り戻そうとして無理をするケースが少なくありません。体調は良くなったとしても精神的、肉体的に無理をしてしまうと、妊娠高血圧などの体調不良を引き起こしたり、切迫早産になるリスクが高まったりします。また、お腹も大きくなってくると疲れを感じやすくなります。つわりが落ち着いたからといって無理することなく、自分の体調や赤ちゃんの状態を確認しながら無理のない範囲で働くことが大切です。

仕事を休むことで今後のキャリアに不安を抱く人が少なくありません。しかし、せっかく授かった命ですので、妊娠中や子育てが大変な時期はキャリア育成の時期をずらすというように発想を転換することも大切です。また、つわりでつらい時期だからこそ、無理せず周りに甘えることも必要です。こんなときだからこそ、旦那さんや実家、義理実家に頼って家事など任せられるところはどんどんお願いすることです。産後も仕事に復帰する予定があるのなら、一人で仕事や家事、育児を全て行おうとすると精神的にも肉体的にも相当な負担となります。復帰後に無理をしてしまうと、自分自身が対直を崩してしまって仕事を続けられなくなる可能性も出てきます。

妊娠が分かった段階で、産後のことも見据えて家事や育児の協力体制をつくっておくと、復帰後も安心して仕事を続けられます。

会社への早めの報告で無理なくつわりを乗り切ろう!

つわりの時期は毎日2日酔いのような症状が続き、肉体的にも精神的にもナーバスになりがちです。つらいつわりの時期にも必ず終わりがあります。会社に早めに報告しておくことで、つわりの時期をでも働きやすい状況に変えられるだけでなく、復帰を見据えた環境を整えやすくなります。周りの理解や協力を得ながら、無理をせずつらい時期を乗り切りましょう。