<4月4日セミナーレポート>妊娠中のケアがカギ!産後の自分も、赤ちゃんも!ラクして守るお口のセルフケア|歯科衛生士が解説!

2023年4月4日、株式会社QOOLキャリアは、無料のオンラインセミナー「妊娠中のケアがカギ!産後の自分も、赤ちゃんも!ラクして守るお口のセルフケア」を開催しました。

プレママさんからよくいただくご質問。
「妊娠するとむし歯になるの?」
「妊娠すると、なんで歯科検診を勧められるの?」

本コラムでは、そんな疑問を解決して今の自分・出産後の自分が健康になるだけじゃなく、将来のお子さんのお口の健康を作り上げていく方法について株式会社オーラルケア歯科衛生士 佐藤静子氏からわかりやすく教えていただいた情報をお届けします。正しい知識を身につけて、がんばりすぎずに楽しい子育てライフを送りましょう!

_______________________________________

【目次】
1.妊娠中のお口のトラブルあるあるとは?
2.知っておきたい妊娠とお口のつながり
3.出産前からはじめるとお得!ママも子どももラクするお口ケ
 ① 細菌を弱らせる
 ② 大事なところだけ細菌をトル
4.口内ケアに関するQ&A
5.まとめ
6.アーカイブ配信のご案内
7.本日の参加 特典のご紹介


先生のご紹介


株式会社オーラルケア歯科衛生士 
佐藤 静子
歯科衛生士専門学校を卒業後、歯科医院勤務を経て株式会社オーラルケアに入社。
予防歯科の世界的権威 スウェーデンのアクセルソン博士が考案した予防歯科メソッドを習得し、日本への予防普及活動を行っています。
3年前から子どもや子どもを持つ女性がこれから先の未来輝かしい未来をつくるための口の健康づくりに特化して、簡単に実践しやすい予防方法をお伝えしています。

 

■株式会社オーラルケア
・代表者:代表取締役 大竹琢也
・所在地:東京都荒川区西日暮里2丁目32番9号
・設立:1980年11月(1999年社名変更) 
・事業内容 
予防歯科関連製品の開発・販売/セミナー・講演会などでの情報提供
“本当の予防”を根づかせ、“ウェルネスライフ”があたりまえの世の中にするために、様々な形で情報提供をしています。
口の健康を守ることは、全身の健康、そして命を守ることにつながります。
欧米では「まれな疾患」と言われているむし歯と歯周病の予防法を伝え、口からはじめる健康で豊かな人生を歩む人をふやしていくことが、株式会社オーラルケアのミッションです。

 

.妊娠中のお口のトラブルあるあるとは?

妊娠中・産後、体や心が大きく変化していますよね。その変化に伴い、口も大きく変わっています。口の変化が体全身への問題につながっているということが分かっています。
出産前から始めるととっても楽にできるお口のケア、出産後でも今から始めていただくと楽にできる持続しやすい方法をお伝えしていきたいなと思います。 
今年のはじめに行った【妊娠期間中の歯科に関する調査】によると
妊娠中に歯科検診や歯科医へ通院しましたか?
   ー通院しなかった(できなかった)50%
   ー通院した39% 
 ー覚えてない12%
妊婦健診に「歯科」があるのは、妊娠から出産まで口が健康でいることが非常に重要だからです。

 

2.知っておきたい妊娠とお口のつながり

妊娠する前と、妊娠中、出産後でいろいろお口の変化が起きます。
あなたはいくつ当てはまりますか?
・食べ物の変化が起きた
・食事の時間が不規則
・口やのどが渇く
当てはまるとママがむし歯になりやすくなり、生まれてきてからの赤ちゃんにむし歯菌が感染しやすくなります。

下記に当てはまると歯周病の可能性があります。
・歯を磨くと血が出る
・なんだか臭う
・口がネバネバする

歯周病の初期は、はぐきの炎症からはじまります。
赤いにきびみたいな、歯ぐきが少し腫れる、たまに血がでるくらいでもこれも歯周病です。
妊娠中て赤ちゃんを守るために、体の免疫力低下しているのはご存知と思いますが
それにプラスして、歯周病菌は女性ホルモンが大好物!
妊娠中、すでに歯周病になっている人は炎症が進みやすく、健康な歯ぐきの人も妊娠中は歯周病にかかりやすいのです。
妊娠中に歯周病になって、炎症が長引くと早産・低体重児のリスクのひとつになることがわかっています。これは、タバコやアルコール・高齢出産などよりもはるかに高い数字です。
口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかともいわれていて、お口の中の細菌が多かったり、歯周病があると、いろいろな病気のリスクをあげることにもつながります。

よくある風邪や季節性のものなどの感染症も、口が関係しているって言われてます。自分自身も病気になったらイヤですが、お子さんにもこういう体験をしないように年を重ねていってほしいですよね。

 

3.出産前からはじめるとお得!ママも子どももラクするお口ケア

つまり産前からママがはじめるお口ケアが重要です。
産前にやっておくとママのお口が健康になって、お子さんも元気に出産できる可能性を高くします。
これから育児ライフがはじまる中で、いろんな病気にかからず健康でいられるベースをつくることができるのです。
ママが口の健康づくりを知って、はじめておくと、それを未来のお子さんに伝えることができます。お子さんの未来のキレイな口をママがつくることができるとお子さんの将来の可能性も広がります。

むし歯や歯周病の原因は細菌です。
その細菌がお口の中に感染してきて、発症することで起こる病気がむし歯や歯周病。
    ーむし歯菌はミュータンス菌
    ー歯周病菌はジンジバリス菌
           が代表

この細菌は、ヒトからヒトへ感染すると言われています。
出産をして、むし歯予防として「はしやスプーンの共有、キスなどのスキンシップもできるだけ控えてくださいね」なんていわれるのは、感染を防ぐという意味で言われています。
感染するとどうなるか・・・

最初は歯にくっつくということからはじまり、歯にすみつきやすい条件がそろっていると、べったりくっついていきます。最初にくっつくのは、ミュータンス菌。

このミュータンス菌が、お砂糖などをエサにして、ネバネバした不溶性グルカンとそのネバネバの中で歯を溶かすほどの酸をつくりだすとむし歯になりやすくなります。
一番やっかいなのは、このネバネバ。ネバネバを足掛かりに、細菌をどんどんよせつけて増やしていきます。2日以上放置しておくと、歯周病菌が増えてきます。


ポイント① 細菌を弱らせる
最初に歯にくっつく細菌たちを弱らせておくことがポイントです。そうすると細菌の塊ができにくくなります。
最初の菌つまりむし歯菌のミュータンス菌に働きかけてくれるのが・・・


キシリトールという甘味料
歯にべったりくっつく悪玉ミュータンス菌を減らしてくれるという、魔法のような甘味料なんです。しかも、お砂糖のように甘いのに、ミュータンス菌が食べても酸もつくらないプラークのもともつくらない、カロリーはお砂糖の3/4 少し少なめです。
キシリトールを活用すると、歯みがきで簡単に落とすことができます。
歯の予防をするには、こういう甘味料を使った口腔ケアの方法のひとつで、予防先進国の北欧ではすでに実践されていて、お口ケアに活用されています。
今日みなさんにお伝えするのは、実はお子さんのむし歯予防にも役立つからなんです。

むし歯予防はじめると、何歳からはじめるイメージ?
実は、お子さんがおなかの中にいるときに、ママがはじめるのが一番ラクで効果的な予防です。それは、妊娠中にキシリトールを使う方法。

上図はある実験をしたものです。キシリトール食べただけで差がこんなに出ました。
 ー緑がキシリトールを食べていないグループ
 ー黄色がキシリトールを食べてたグループ

これからママになるみなさんには、ぜひ甘味料のキシリトールを活用してほしいと思います。妊娠すると唾液がでない人も多いのでガムを使うのもオススメです。
ミュータンス菌も弱らせるのはもちろん、唾液もでるし、しかもリラックス効果もあります。

ポイント② 大事なところだけ細菌をトル
全部を丁寧に1本1本歯みがきしなくていいので、時短になりつつ効果がある予防の考え方をご紹介します。

健康な歯ぐきでも2~3ミリの溝があり、ここにとどまって悪さするのが歯周病菌。
キシリトールで細菌を弱らせておいて、あとは大事なところのみ細菌をトルのが効果的です。そのためのアイテムはフロスです。
フロスは、歯と歯の間、歯と歯の溝、この2つの場所を1回でとることができるアイテムです。歯ブラシよりも、このフロスでケアをする方が、予防へとつながる方法です。


フロスを選ぶときのPOINT

①指に巻くタイプを選んでください
一度ついた細菌は洗っても、ティッシュでふいてもキレイにはなりません。使った場所で、また別の場所をフロスすると、細菌をその場所に移動させることにつながるので、指でまくタイプで清潔な場所を使っていきましょう。

②歯ぐきにやさしい糸を選ぶ
歯ぐきはとってもデリケートなので、歯ぐきにさわっても痛くない糸を選ぶ

生まれてきた子の歯を守ることにつながっているおなかの中にいるときに、ママがキシリトールを活用すると、子どもにむし歯菌が感染しにくくなり将来的には歯周病予防につながります。
いまから歯ぐきにやさしいフロスができていると、子どもに仕上げフロスをするとき嫌がらず、子どもの時からフロスをする習慣ができて、年を重ねてもお口の健康が維持できます。
むし歯も歯周病も稀な病気。本来なら、ならない病気。
海外ではスタンダードな考えなんです。

むし歯になるのに、どのくらい時間がかかるかご存知ですか?   
  ー平均して8年。 
   1、2日でなるわけじゃないんです。

しかもいくつかの要素が組み合わさってむし歯が起きるので、その間に手当をできれば、削って詰めるむし歯の治療や歯周病で歯を失うということになりません。
予防歯科の先進国では、子どもが小さいときに大事にしていることはお母さんの知識をもってもらうこと。知識があれば、どんな風にケアしたらいいか、どんな道具を選んだらいいか、どんな食事にしたらいいかがわかります。そうなるためのお手伝いをしたいと思っています。

最後に質問タイム!たくさんのご質問をいただきました。

4.口内ケアに関するQ&A

Q1.
1歳3ヶ月の息子の歯について上は4本生えていますが、下は真ん中2本しか生えず、最近は下の奥歯が見えてきました。下の前歯2本だけで、横の歯が生えていない場合に気をつけることはありますか?離乳食の完了も上下4本生えてからと教わり、いつか生えてくると思っていても心配です。
A.佐藤静子氏
生え方や生えるタイミングには個人差があるので、様子を見ながら過ごしていただけたらと思います。特に気をつけることはなく、様子を見ていただけたらと思います。

Q2.子どもが歯磨きするときに歯ブラシを噛んで出血するので、このままやらせて良いのか気になっています
A.佐藤静子氏
歯ブラシが硬いと歯茎を傷つけてしまい、歯茎から血が出てしまったりすることがあるのでできるだけ柔らかいものが良いと思います。また、自分で磨く際には力加減を調整できますが、特にお母さんが仕上げ磨きをする際の歯ブラシはより柔らかいものを使用していただくのが良いと思います。

Q3.キシリトールはどんなものを使えば良いですか?スーパーやコンビニで売っているものでも良いのでしょうか?
A.佐藤静子氏
キシリトールを選ぶ際は、キシリトールの入っている量が多いもの、50%以上配合のものを選んでいただくのがおすすめです。そうでないとミュータンス菌を弱らせるなどの働きが起こりにくいです。

Q4.子供に歯磨き粉を使うのはいつからが良いでしょうか?
A.佐藤静子氏
歯磨き粉を使うタイミングは、吐き出しをできるタイミングで使ってください。歯磨きジェルやフッ素ジェルのものは吐き出しをしないので、少量使っていただくのも良いと思います。歯磨き粉はお子さんの虫歯予防をしていくのに、すごく簡単にできる有効な方法なので、ぜひ吐き出し前に使用する場合は少量を塗るぐらいの形で使っていただくのが良いです。吐き出しができる場合には適正量を使用してください。

Q5.子供にキシリトールを使うのはいつからが良いのでしょうか?
A.佐藤静子氏
舐めて溶かすものなので、誤飲の心配もなく安心して食べれるようになる大体2歳くらいから使用してください。タブレット型のものなども2歳くらいから推奨されています。
小さい頃からキシリトールをあげたいという方は、タブレットを砕いてあげるのも良いと思います。

Q6.フロスは朝昼晩と歯磨きするたび、毎回するべきでしょうか?
A.佐藤静子氏
最低でも1日1回行えば、歯周病菌が増えにくい環境を作ることができます。大人になってからの敵は歯周病だと思うので、歯周病菌をいかに増やさないかということが非常に重要です。歯周病菌が増えはじめるタイミングは大体48時間以降です。つまり2日以内にやっておけば、歯周病菌が増えずお口の中の良い環境を作っていけるので、1日1回で十分だと思います。

Q7.フロスは子供にも使った方が良いでしょうか?
A.佐藤静子氏
ぜひフロスはお子さんから使ってください。歯と歯がくっついている場所に使っていただくと良いです。特に奥歯や前歯は歯と歯の間がくっついているので、この辺りを重点的にフロスをはじめてください。

Q8.歯医者にいくと歯を磨きすぎだと言われます。このままだと歯茎が下がってしまうと言われましたが歯のざらつきが気になります。磨き方の工夫はありますか?
A.佐藤静子氏
歯茎はデリケートなので、ガシガシやってしまったり、硬い歯ブラシを使ってしまうと歯茎が下がりやすくなってしまいます。できるだけ歯茎にダメージがないように歯ブラシを使ってください。気になる場所にはピンポイントに当たる歯ブラシがおすすめです。タフトブラシという小さい束の歯ブラシを使うと、歯茎を守りながら汚れを落とせるのでおすすめです。


まとめ

お口のトラブル・細菌がお口の中で増えていくとむし歯や歯周病という口だけの問題じゃなく皆さんの体やお子さんへの影響もでやすいため、簡単にできることとして「キシリトールの活用」をおすすめします。
時間や体調的に余裕があるときは、歯ぐきにやさしいフロスを試してみてください。
今日お話ししたことが、将来のお子さんの歯を守る第一歩になると思います。
産後はどうしても赤ちゃん優先になり、ママは自分のことがあとまわしになりがちです。
少し余裕のあるときに行っておけば、ママの健康・そして子どもの将来の健康をつくっていける、豊かな人生を歩めるようになると思います。
ぜひ、できる範囲ではじめてみてください!


【参加者様の声】

・色々な予防について勉強できてよかったです。
・キシリトールの摂取量やフロスに関して自身でもケアできる話しはとても参考になりました。
・ありがとうございました。キシリトール早速試そうと思います。

 

株式会社オーラルケアの予防アイテムはこちらからご覧いただけます。
https://oralhealth-navi.com/

お口の健康、予防に関してLINEサポートご希望の方はこちらから友だち追加を。
https://lin.ee/9413T56x

 

アーカイブ配信について

本セミナーはアーカイブ動画にて視聴申込が可能です。
以下よりお申し込みください。
*動画ご視聴申込期限:2023年4月28日16時まで
*動画閲覧期限:2023年4月30日23時59分までhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd8JS1lfMrq3oth2E1c3YyTuvL6cClEDUSWRRv_S2HnfvQa2g/viewform?usp=sf_link

 

株式会社QOOLは、毎月「女性の人生の質を高める」セミナーを開催しています。セミナーでは、不妊治療や子育てなど女性の悩みに寄り添ったテーマを多く取り上げています。
詳細は下記リンクから。お見逃しなく!
https://www.qo-ol.jp/category/events/