ワーキングマザーも大丈夫!女性が営業職として活躍するためのヒント

女性の社会進出が顕著となり、営業職として活躍するワーキングマザーも増えました。しかし、自分もそうしたくても、やっていけるかどうか不安を感じて、第一歩を踏み出せないケースもあるでしょう。このような場合は、メリットやデメリットなどを正しく把握したうえで判断することが大事です。また、勤務を続けるためのコツをあらかじめ知っておくと参考になります。そこで今回は、女性、特にワーキングマザーが営業職として働くうえで知っておいたほうが良い情報を紹介し、転職に関するポイントも解説します。

営業職として働くメリットは?

まずは、女性が営業として働くメリットをしっかり押さえておきましょう。そうすれば、モチベーションが高まりますし、それらを活かすことで良い結果を残しやすくなります。「営業マン」という言葉があるように、営業は男性のほうが得意な仕事だと思われがちですが、実は女性のほうが優れている部分も少なくありません。たしかに、体力面や押しの強さは男性に分がありますが、物腰の柔らかさや細かな配慮といった女性ならではの強みは営業において有利な武器になります。

商談や契約は相手との信頼関係によって成立するものです。したがって、相手に安心感を与えることが重要であり、それができないと会話のスタート地点にすら立てないこともあります。この点について上記の強みが果たす役割はとても大きいです。相手の警戒心が緩みやすくなり、スムーズに良好な関係を構築しやすくなるでしょう。特に、普段から子どもに優しく接して気配りができるワーキングマザーは、これらのスタンスを素養として身についていることが多いです。

共感力が高いことも営業職としてのメリットとして作用します。育児をしていると、子どもの悩みや困りごとを敏感に察知しなければなりません。言葉だけでなく、顔色や仕草から読みとえることも不可欠です。営業でも、相手が抱えている課題を推察して、気持ちに共感しながら寄り添っていく姿勢を求められます。子育てによってその土壌が培われていると、親近感を持ってもらいやすくなり、自分の営業スタイルとして確立できるようになるのです。相手との距離を縮めるという難易度の高いテーマをクリアしやすくなります。

さらに、出世や昇給を見込めることも大きなメリットです。働く女性のなかには、しっかりと稼いだり役職に就いたりしたいと考えている人も多いでしょう。しかし、そのように望んでいても、育児をしている期間中は責任の軽い業務しか担当させてくれない企業も珍しくありません。この点に関しても、営業職として努力していれば問題はなく、希望を叶えられる可能性が高いです。なぜなら、組織の顔ともいえる職種であり、与えられる業務は企業の売上に結びつく重要なものだからです。そして、育児の都合で勤務時間が他の従業員より短くても、成績が数字として表れるため、良い結果を出していれば正当に評価してもらえます。

言い換えると、これは時間を調整しながら自由に働きやすいということです。たとえば、取引先での仕事を予定より早く終えたら、オフィスに寄らずに直帰できるケースもあるでしょう。この場合、スーパーで晩御飯の買い出しをしたり、子どもを保育園に早めに迎えにいったりするなど、空いた時間をプライベートの面で有効活用できます。きちんと結果を出すことが前提ですが、それが可能であれば育児と両立させやすいことは大きな魅力です。

また、
気分転換しやすいこともメリットの一つです。育児を始めると、休日も自由に出かけることが難しくなります。そのため、平日もオフィスにこもりきりの仕事をしている女性は、閉塞感が強くなりやすいので注意しなければなりません。一方、営業職としてよく外出していると、社会の空気を感じ取る機会が多くてリフレッシュにつながります。アポイントの時間までカフェで休憩したり、社外でランチを堪能したりするなど、自分なりの楽しみを見つけやすいです。

デメリットも把握しておこう!

女性が営業職として働くことにはデメリットもあります。ただし、あらかじめ知っておくと対策も可能なので、あまり心配しなくても大丈夫です。対策のコツは後述するので、ここではどのようなデメリットがあるのか実情を正確に把握しておきましょう。やはり、ワーキングマザーは子ども関連で困ることが少なくありません。育児をしていると、発熱をはじめとして子どもが急な体調不良を起こすことがよくあります。日頃しっかり管理しているつもりでも、親の都合とは関係なくそのタイミングは訪れてしまうのです。そうなると、保育園にも預けられないですし、病院に連れていくなどの対応も必要になります。

取引の約束があった場合、相手に迷惑をかけることになり、契約の延期や破棄といった悪い結果を招きかねません。代理の同僚に負担をかけたり、社内でスケジュールを調整し直したりするなど、意外なほど多くの関係者に影響が出ることもあるでしょう。このような事態が何度も起こると、もう繰り返すのは許されないと思い、自分のなかで深刻なプレッシャーになっていきます。そして、メンタルの問題だけでは済まず、営業の担当から外れるように上司から指示されるような可能性もあるのです。周囲に迷惑をかけているという罪悪感により、次第に肩身が狭くなっていき、自分から申し出るケースも見受けられます。

また、
メリットの裏返しといえますが、良い結果を出せないと勤務時間が長くなりやすいです。多くの企業は営業職に成果主義を導入しており、成績の良し悪しによってワークライフバランスの受ける影響が大きくなりがちです。たとえば、契約の件数など、明確なノルマが設けていることも多く、それを達成できるまでは残業が続く可能性もあります。自宅で行える業務に関しては持ち帰るという手もありますが、その量が多くなりすぎると育児や家事に支障が出るので要注意です。したがって、育児を優先して楽な仕事をしたいという人には向いていません。

熱心に働きたい場合でも、ワーキングマザーは時間的な制約が強いため、自由に働ける独身時代のような結果は残しにくくなります。ライバルの従業員たちがまだ働くなかで、自分だけが早く帰らなければならないことも多いです。そのような不利を実感するたびに、実力がある女性ほどもどかしいと思うこともあるでしょう。特に育児による疲労が大きいときは、少しの失敗もネガティブに考えやすくなります。もうキャリアを順調に築けないような感覚に陥るなど、モチベーションの維持が難しくなることもデメリットの一つです。負の感情を育児に持ち込まないようにする工夫も求められます。

営業職として勤務を続けるために大事なこと

上述のデメリットを知って不安に感じた人も多いのではないでしょうか。たしかに、営業職と育児の両立を続けるのは容易ではありませんが、ワーキングマザーとして活躍している女性がたくさんいることも事実です。それゆえ、悲観的に捉える必要はなく、以下に挙げるコツを実践していけば、子育てをしながらでもポジティブな姿勢で勤務しやすくなります。まずは起こりうる事態を想定して、日頃からしっかり対策を行っておきましょう。

たとえば、子どもの急な発熱などにより休まざるをえない状況に関しても、事前の準備よってダメージを最小限に留められます。出社前に少しでも子どもに体調不良の兆候が見られたら、出社と同時に「保育園から連絡が来たら早退します」というように伝えることが大です。余裕を持って知らせれば、そうなった場合の対応を関係者は考えやすくなります。これは帰宅後に兆候が現れたケースも同様で、「明日は休むかもしれません」と上司に連絡しましょう。当日の朝にいきなり伝えられるより、スケジュールや代理の調整などを行いやすくなるからです。

また、連絡したほうが良いのは、上司など社内の人だけではありません。営業職の場合は、取引先と普段から直接やりとりしているケースも多いです。そのため、アポイントがあるなら、謝罪の言葉とともに事情を知らせておくことも重要になります。そうしなければ、何も知らない相手が電話をかけてくることや、子どもの看病などで出られないこともあるでしょう。後から気付いても、病院などにいてすぐに折り返せないこともありえます。その結果、相手に不信感を抱かせるような事態にもなりかねません。ですから、事前に連絡したうえで関連する情報も知らせておく必要があります。もし同僚が代理を務めるなら、その連絡先なども伝えることが大事です。

さらに、職場のチームワークに関する意識もポイントになります。どうしても同僚にフォローしてもらうことが増えるので、快く引き受けてもらえる関係を普段から築いておくことが必要です。子どもがいるからといって、特別扱いしてもらえることを当たり前だと考えてはいけません。誰もが子育てに理解があるとは限らず、仕事を押し付けられたかのように受け止める人もいます。こういったリスクを回避するためにも、感謝やお礼を言葉にして表現していくことが不可欠です。自分に余裕があるときは積極的に手伝うなど、職場の一員として貢献していくスタンスを心がけましょう。

一方、働ける時間やノルマに関するデメリットについては、自分を成長させる機会と捉えることが大切です。具体的には、短時間で高いパフォーマンスを発揮できるように、仕事の取り組み方を見直すことが第一歩になります。要点をまとめた資料を作成できれば、これまでよりプレゼンをスムーズに進められるでしょう。営業先の場所を考慮して訪問の順番を工夫すると移動時間を短縮できます。手間がかかる事務作業をマクロで自動化するのも一つの手です。このような観点で効率化していけば、働きやすさと自分のレベルを向上させられます。難しそうなときは、取り組んでいる対策を上司に伝え、状況を踏まえてノルマ軽減などの相談もしてみましょう。

なお、夫や実家の両親などと話し合って、子どもが体調不良になった場合の対処を決めておくこともコツといえます。営業で外せないアポイントがあるときに、代わりに病院に連れていってもらえるような協力体制をつくっておくのが望ましいです。とはいえ、夫が忙しい場合や実家が近くにない場合は実現が難しくなります。そのようなケースでは、病児保育などのサポート制度の利用も視野に入れると良いでしょう。

営業職に転職する際のポイントをチェック!

もっとメリットを活かしたい場合やデメリットを減らしたい場合は、無理にそこで働き続けるのではなく、転職を検討することも効果的な手段となります。なぜなら、一口に営業職といっても、企業によってさまざまな面が異なるからです。以下に紹介する点を踏まえておけば、自分に合った勤務先を見つけやすくなります。他の職種から転職する女性にとっても重要なので、しっかり理解して最高のスタートを切るための準備をしましょう。

育児に関して理解してくれる人が多い業界だと、ワーキングマザーは非常に働きやすくなります。その条件となるのは従業員全体に占める女性の比率が高いことです。自分と同じ状況の人がたくさんいれば、自然とお互いにフォローしあう雰囲気が生まれます。たとえば、化粧品や下着といった女性向けの商品を扱っている企業はその代表です。保険関連や教育関連の企業もそうですし、デザインや人材紹介などを行うところも多くの女性が活躍しています。

また、そのような職場ではキャリアップしやすいことも大きな特徴です。女性の役職者が多く、すでに昇進や昇給の道筋が明確になっているからです。しかも、彼女たちが決裁の権限を持っているため、営業で必要な申請を行ったときに、同性ならではの共感によってスムーズに通りやすくなります。男性と女性とでは営業のスタンスが異なるので、男性の決裁者からなかなか了承を得られないことも珍しくありません。そのようなリスクが減り、説明を繰り返すような事態を避けられるので、その分だけ業務の時間を有効に使えます。

ですから、まず女性の比率が高そうな業界の企業をピックアップし、管理職に関するデータなどもチェックしましょう。管理職に女性を積極的に登用しているところは、先進的なイメージを持たれやすいので、その事実を採用活動のアピール材料にしていることも多いです。公式サイトや転職情報誌、口コミサイトなどに目を通すことで判断できます。上記以外にも女性の進出が増えている業界は多いため、先入観を持たずに視野を広げてみることも大切です。

さらに、
残業時間を調べておくことも必要になります。目安が募集情報に掲載されていることも多いですが、明らかに長ければ厳しいノルマを与えられる可能性が高いです。ただし、記されている時間が短いからといって必ずしも事実とは限りません。それゆえ、定時勤務の時間が終わってから企業周辺を訪れて様子をうかがうことも一つの方法です。フロアの灯りがついていたり退社する人が少なかったりすると、実情は異なるかもしれません。面接を受ける場合は、営業職の標準的な1日のスケジュールを質問してみましょう。

制度面に関しても事前に把握しておくことが欠かせません。特に大切なのは、短時間勤務やフレックスタイム勤務が可能かどうかです。また、外回りがない日に在宅勤務を行えると、育児と両立しやすくなります。あらたに子どもを授かりたいと考えている女性は、産休や育休についても知っておく必要があります。しかし、それらが用意されていても、実際には機能していないケースもあるので注意しなければなりません。一方、休暇を終えて職場復帰する女性に再教育してくれる企業や、事業所内に保育施設を設けるほどワーキングマザーの支援に熱心な企業もあります。そのような転職先であれば、営業職でも無理なく働ける可能性が高いです。

自分に向いている営業職の種類を検討しよう

営業職は、個人営業と法人営業の2種類に大きく分けられます。それぞれ働き方などの特徴が異なるので、自分に適していると感じられるほうを選択することが重要です。個人営業は一般消費者が取引の対象であり、自宅を訪れるセールスマンをイメージすると分かりやすいでしょう。コミュニケーションによって信頼関係を築き、商品やサービスの購入に結びつけます。感情への働きかけが大切であるため、女性ならではのメリットとして挙げた物腰の柔らかさや共感力の高さを活かしやすいです。

一方、法人営業は文字どおり企業などの法人が相手であり、時間がタイトなワーキングマザーにとっては、こちらのほうが適している可能性もあります。たとえば、仕事の前後に保育園の送迎が必要であれば、できるだけ規則正しいスケジュールで働きたいと考えるでしょう。しかし、個人営業は数をこなすことが基本であり、相手の都合も関係するので、終わる時間を予想しにくいです。それに対して、法人営業を選択すれば、あらかじめ判明しているスケジュールどおりに勤務できる見込みが大きくなります。

とはいえ、すべての法人営業にその傾向があるわけではありません。新規開拓を目的とした飛び込み営業を担当する場合は、やはり先を読みにくいので、想定外の残業が発生するリスクも残ります。規則正しく働きやすいのは、法人営業のなかのルート営業と呼ばれるタイプです。こちらはすでに取引している法人を定期的に訪れて、新商品を案内したり既存サービスへの要望を聞いたりします。具体的な内容は相手によって違いますが、ルーティンワークとして決まった日時に訪れるため、たいていは想定している時間どおりの働き方が可能です。

道路の混み具合などによって多少の誤差は生じます。しかし、アポイントどおりに進める必要があるため、不意に残業が発生するようなケースはくありません。複数の取引先を巡回する場合、予定より早く終了したところがあれば、次のアポイントまで時間が余るので、長めに休憩できるというメリットもあります。育児で疲れているときなどは、その余裕をありがたく感じることでしょう。また、継続的に売上を見込める取引先を回るため、ノルマに関しても厳しくないことが多いです。

つまり、肉体面と精神面の両方で、ワーキングマーにとって恩恵が大きいといえます。ルート営業は契約件数などによる歩合制ではなく、固定給であることが多いので、収入面を安定させやすいことも魅力です。ただし、実際にはルート営業以外の仕事も与えられるケースがあります。外回りのスケジュールがない日は事務作業を行ったり、外回り中に飛び込み営業も実施したりするなど、企業によって実情はさまざまです。そのため、ルート営業という名目の募集であっても、具体的な内容まで確認しておく必要があります。

また、昇進や昇給を強く希望する女性にも法人営業は適しています。法人が相手なので、契約1件あたりの売上規模が個人営業よりも圧倒的に大きいからです。そのため、新規開拓などによって優れた結果を出すチャンスも多く、勤務時間の少ないワーキングマザーでも積極的に働けば、社内での地位を確立させやすくなります。

ワーキングマザーも営業職として活躍が可能!

営業職として活躍できるポテンシャルを持っている女性はたくさんいます。デメリットばかりを意識して、自分には不可能だと決めつけるのは良くありません。働くためのコツを把握したうえでメリットを最大限に活かせば、ワーキングマザーでも働き続けることは十分に可能です。前向きに営業職にチャレンジして、自分が納得できるキャリアを築いていきましょう。

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