御年94歳、現役人事コンサルタントによる”働く女性”への金言

株式会社マネジメントサービスセンター | 顧問 梅島みよ

梅島みよさんは御年94歳の現役人事コンサルタント。株式会社エスキャリア主催のシークレットセミナーにご登壇されました。「女性のあり方」の変遷を見続けてきた彼女が語る、生きるうえ、働くうえで重要な「生き方のヒント」をまとめました。


プロフィール
梅島 みよ(うめしま みよ)
1944年、津田英学塾(現・津田塾大学)卒業。 在日米陸軍人事訓練部において管理者訓練トレーナーとして勤務した後、日立製作所を経て、訓練コンサルタントとして独立。1966年マネジメントサービスセンター設立。同社代表取締役社長、取締役会長などを経て、株式会社マネジメントサービスセンター顧問に就任。公益社団法人全日本能率連盟名誉マネジメントコンサルタント、日本女子経営大学院顧問。(※情報は2018年8月30日現在のものです)

知識のある人がマネジメント職に向いているとは限らない

2016年に『女性活躍推進法』が成立し、企業は採用や管理職比率などにおいて一定の基準を求められるようになりました。 でも、管理職の配置において重要なのは「数字」ではなく、「どういう人」がその職に就いているか、です。

日本の企業では、現場で経験を積んできた人ほど、どういうわけか管理職になる自信を持っていないようで「そんな重い仕事を引き受けたくない」と逃げる傾向にあります。

皆さんも似たような経験があるのではないでしょうか。

企業は、外国の大学を出てMBAを取得したとか、大学院を出て博士号を持っているとか、ステータス重視で人を選んでしまいがちです。

私は、経営には「三つの現」が大切だといつも伝えています。
・現場に出る
・現況を知っている
・現場の仕事の流れを掴んでいる

この三つがなければマネジメントはできません。知識があるからマネジメントに向いているとは、必ずしもいえないのです。

男性社会の世の中で〝女性〟が上手に活きる方法

男性と女性がいる世の中で、女性はお尻が大きいぶん、〝どん〟と腰が据わっていますよね(笑)

男の人はどういうわけか、理想を追いがち。叱られるのを覚悟で言えば、男性は比較的プライドの高い人が多いような気がしています。そして案外、そのプライドを傷つけられやすいのではないでしょうか。

今日、私が女性の皆さんに伝えたいのは、「肩ヒジを張らない」ということです。そのために私は、三つの「し」と三つの「あ」をお勧めしています。

まず三つの「し」は「しなやか」に、「したたか」に、そして「しおらしく」 そんなふうに自分の特長を発揮していけばいいのではないでしょうか。

 

そして仕事をしていくには三つの「あ」。 「飽きない」、「諦めない」、「焦らない」ことが大切です。

女性の地位向上などがメディアで数多く取り上げられていますが、まだまだ男性は女性より上に立っているという感覚を持っている人が少なくありません。

ですから、男性と仕事をうまく進めていこうと思ったら、まあ、ちょっと泣いて見せるくらいのしたたかさも、女性には時に必要かと思います。 そう思いませんか? ちょっとしおらしく「あーもうダメ」なんて言えば、男性も気にかけてくれますよ(笑)

男性社会の中で女性が輝くためには、そんなふうに戦略を持って、自分の人生をどのように設計していくか考えることが必要なのではないでしょうか。

常に知見を広げる努力をすること

次に、私がこれまでで学んだことをいくつかご紹介したいと思います。

1つ目は、通訳・翻訳者として、アメリカの陸軍司令部に入った時に最初の女性ボスに教わった教訓です。

一年目は、職場の全員と同じレベルで仕事ができるようになること
二年目は、その仕事を改善し、より良くしていくこと
三年目は、より高いレベルの仕事と環境を選択すること

「三年同じ立場で仕事をしているのであれば、あなたは怠け者」 そう言われました。

その心づもりで仕事を続けていたら、3年目のある日、米軍の人事担当から「うちで人に影響を与える仕事をしませんか?」と教育トレーナー職のオファーをいただいたのです。

「あなたの仕事もその成果も素晴らしい。でも、これからは、他の人の言葉を伝えるだけではなく、あなた自身が直接人に影響を与えられるような仕事をしないか?」と。

それをボスに話すと「給料アップが目当てなの? それとも、新しい仕事が目当て?」と聞かれ、「もちろん新しい仕事が目当てです」と答えたのです。すると、立派な推薦状を書いてもらうことがでました。

この経験から、部下を成長させてくれる上司の元で仕事をすると、どの仕事にも活かすことができることを学びました。

部下を飼い殺しにする上司はダメ。自分より優秀な部下を囲い込み、他で経験を積ませることもしない上司の下にいても、何もいいことはありません。

2つ目に、自分の仕事の範囲だけで物事をとらえないことです。

自分の仕事が会社全体にどういう影響を与えているのか、他の部署の仕事が自分の仕事にどう影響を与えているか、どういう関係を構築しなければいけないのか、を知っておくことです。

そうでなければ、一部の物事しか見えず、自分のしている仕事の値打ちはわかりません。縦だけではなく横にも理解を広げないといけませんね。

仕事を楽しみ、人を満足させる

3つ目に、「仕事を楽しんでください」ということです。

私は人事評価制度を学ぶためにアメリカに行きましたが、当時から好奇心がすごくありました。実際に見に行くと「こういう仕組みなのか!」と納得できることがたくさんあったのです。

ですから、仕事の半分は遊び心。好きな仕事であれば、やっていて楽しい。大切なのは「どんな仕事をするか」ではなく「その仕事を楽しんで、成果を上げる」ことです。

私はわがままだったので、ボスに「成果を上げるから好きな仕事をさせてほしい」と交渉し、困らせてばかりいました(笑)

4つ目に、お客様の満足を一番に考えることです。

私は2年ほど一人でコンサルタントをしていました。セールスマンを雇う力もありません。でもお客様が満足すれば、必ず誰かに話してくれます。お客様こそ最も信頼できるセールスマンなのです。

当時PRするお金がなかったのですが、暑中見舞いと年賀状だけは、すべてのお客様に毎年欠かさず送っていました。90歳を超えた今でも、600枚くらいは自分で送っています。

そうすると、お客様が思い出してくださり、ご依頼の電話も頂きました。人と人のご縁です。

ご縁を続ける、絆を作る。そして人間関係を大切にする。当たり前なことですが、とても大切だと思いますね。

ライフイベントを迎えた働く女性へのアドバイス

主婦が出産を経て再就職する時、多くの人が戸惑いを感じていると思います。

結婚して子育てをして、長い方だと2年以上家の中にいらっしゃるでしょう。その間に、ともすると子供との距離が近くなりすぎてしまう人もいるかもしれません。

1年くらいならまだいいかもしれませんが、子離れができなくなってしまって、そのまま仕事を辞めてしまうケースも珍しくありません。

家にいると、組織の中とはまるで環境が違いますよね。それで大きな組織の中に戻る時に違和感を覚えてしまう。それを防ぐためにも、育児休暇の最中でも会社と絶えず連携を図って、会社でどのような変化があるのか、どのような問題があるのかを、いつでも認識しておくことが必要ではないでしょうか。

気乗りしない仕事も断らず、やりたい仕事まで家庭も、仕事も上手に続けられる人に

現代は、それまで家庭内で行われていた食材生産が外部化されています。その次はお料理。車もシェア、家もシェア。この次はどうなるのでしょうね。

そんな時代の変化に、みなさんは対応して生きていかなければいけないのです。私よりずっと皆さんの方が大変です。

これまで、男性は女性をライバルだなどと思っていませんでした。仕事のできる女性がいても、「女性だけど意外によくやっているな」くらい。でも、これからは否が応でもライバルとして意識されます。

そういう時に、「ライバルだ!」と肩肘を張るのではなく、「すみませんが、ぜひご協力ください」と言えるかどうか。ほどほどに女らしくする使い分けができたほうが楽だし大切なのではないでしょうか。

ずっと仕事をしていると、気の乗らない仕事を指示されることももちろんあります。それでも、断ってはダメです。まずやってみる。やってみると、意外とその仕事が好きになっていくこともあるのです。

気乗りしなかったらそれを断るのではなく、やりたいと思う仕事が来るまで待っていればいいのです。自分が好きで、本当にこれをずっと仕事にしたいと思えるものが見つかるまでには、かなりの時間がかかります。

だいたい10年~15年くらいでしょうか。長い間仕事に向き合い、子供を産み、育てて、そして家族と暮らしながら仕事を上手に続ける。そのくらいの才覚は身につけて損はありません。

女性にとっていい時代ではありますが、半面、大変努力のいる時代になりました。私自身も子離れはできましたけど、まだ仕事離れはできていません。だから仕事は、死ぬまでやろうと思っています。

【イベント概要】
株式会社エスキャリア主催。御年94歳、現役人事コンサルタントでいらっしゃる株式会社マネジメントサービスセンター顧問の梅島みよ様をお招きし、『働く女性へのメッセージ』と題し、講演イベントを開催。

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