育休中に転職できる?復帰しないで退職するリスクを解説!

産休や育休は就業中の会社にて取得している権利のため、一般的には元いた職場への復職が前提とされています。しかし、1年〜2年近くも職場から離れ、心身ともに変化している状況では転職を検討する人は少なくないのではないでしょうか。

ここでは、育児休業給付金の支給対象など、育休中の転職を考える際に気をつけるべき点について、育児休暇中に退職を検討しているワーママ150人よくある育休復帰後の転職理由を踏まえて解説していきます。

育休中に育児休暇後の転職・退職を考える理由

産休中や育休中に育児休暇後の転職・退職を考えている人が増えています。産休は子供の生後8週間まで、育休は子供の1歳の誕生日の前日までと定められています。毎年秋頃〜冬にかけて、認可保育園の申請の合否結果次第で育休からの復帰後の転職に向けて活動を開始しているようです。

こうした産休や育児休暇取得中の転職は問題ないのでしょうか。実際に転職を検討している事例と併せて解説していきます。

産休中や育児休業中の退職・転職は可能?

産休中・育児休業中の退職は法に触れるわけではないため、転職をすることができます。

強いて問題があるとすると、お住まいの自治体によっては「育休後の復帰前の転職」をNGしているケースがあり、問題となる場合は保育園の退園につながるケースがあります。

少しでも心配なようであれば転職前に自治体に問い合わせ、元いた職場への復帰が必要かどうか確認するようにしましょう。

ここからはよくある育休中に転職・退職を検討する理由について解説していきます。

育休復帰後に退職・転職を検討する理由

育休復帰時に転職を検討する人の理由は以下の通りとなります。

※育休復帰者を対象にしたアンケート調査
※アンケート対象者:20〜40代 育休後復帰者 150名

ここではよくある転職理由をピックアップして解説していきます。

両立しながら働けるイメージを持てない

育休明けに元いた職場に復帰せずに転職する人は、妊娠中から「育休後復帰しないこと」を選択肢に入れているケースが多くあります。残業を前提とした長時間労働や、ワーママに対する現場の理解のなさ、働く制度のなさなど、既に育児休暇後も今の職場では働き続けられないと感じているからです。

例えば、本人の先輩や上司などでワーママになった途端に役職を下されたり、会議などから外されて仕事ができないと評価されたと噂が回っている場合には、他の女性も会社に対して良いイメージを持っていないケースが多いはずです。

産前に職場に対してどのようなイメージを持っていたかは、育休復帰後の転職を検討する上で影響を与える間違えないでしょう。育休明けの退職・転職は企業と個人どちらにもデメリットがあるので、退職のタイミングには気をつける必要があります。こちらについては後ほど解説します。

異動や役割変更となり育休明けに転職・退職

育休明けに担当していた業務内容と異なるポジションに配置されることもあります。また配置転換がない場合にも、アシスタント的な役割を求められる事は少なくありません。こうした理由により育休明けの転職・退職を検討する人は少なくありません。

厚生労働省によれば、育児・介護休業法の方針として「育休明けは原職または原職相当に復帰させることが望ましい」と掲げられているものの、実際にこれ通りに動いている事業者は少ないと言えるでしょう。

特に責任が大きいポジションにて産休に入った人がいる場合、職場に与える影響も大きいため、他の人材により代替されている可能性が高いでしょう。穴埋めをした方がいることで、既に元いた職場は充足し、戻れなくなってしまうのです。

こうして、これまでの経験を活かせないポジションに移動することでいわゆる「マミートラック」に乗ってしまい、やりがいを感じられず、転職を検討する人が後を経たないのです。

給料・待遇に満足できず転職

育休復帰後は勤務時間が短くなるほか、残業代がなくなり、異動によって不慣れな業務となることで待遇が少なくなってしまうことが多くあります。

人によっては新卒時代並みの給与となり、金銭的な理由からやりがいを見出せず転職をする人も少なくありません。

育児・介護休業法では、「事業主は、育児休業をしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」と定められているものの、勤務時間の削減に伴う給与の減少は拒めないため、転職を行う人も少なくありません。

引っ越しや保育園など家庭の状況の変化により転職をせざるを得ない

産休や育休中の引越しに伴い、現職への通勤時間が長くなり、時間がかかるため転職を検討しているケースも少なくありません。

また保育園の預け入れ時間や、親の介護、三世帯家族での協力体制次第では、現職での勤務を続けていけないと考え、希望されていることもあります。

ただし、復職時の面談などにて人事や上司がこうした悩みをうまくキャッチして退職を逃れることもあるようです。転職をする場合は引っ越し前提がある場合は通いやすい勤務地の選定を行いましょう。ただし履歴書への記載で自身の希望条件を主張しすぎると避けられてしまう可能性があるので注意しましょう。

育休明けの働く時間への心配が募り転職を検討

育休後、復帰した際に時短勤務を利用できても残業が多く、保育園のお迎えにギリギリの生活を送っている場合はずっと勤務をし続ける事は難しい状況です。

出社時間の変更やリモートワークができればフルタイム勤務ができる状態ですと、時短にすることで年収が低くなるなど課題もあり、柔軟な環境ではないと見切りをつけて転職するケースもあるようです。

>>関連記事:女性が働きやすい職場の特徴まとめ

育休中に退職・転職するリスク5つ!育児休業給付金が受け取れない?

産休中・育休中に退職や転職をする場合、育児休業給付金(育休手当)が受け取れないなどのリスクがあります。またタイミングによっては保育園退園や、待遇で不利に働く可能性があります。事前にリスクを把握した上で十分に余裕のある行動をとっていきましょう。

育児休業給付金など育休手当の受け取りができなくなる

妊娠中と育児期間中には様々な手当となる給付金や一時金の受け取りが可能です。
一定の条件を満たす必要があるため、事前に確認しておいて損はないでしょう。

・退職した後に「出産一時金」を受け取るための条件
1. 退職日までの1年以上継続して健康保険に加入
2. 退職日翌日から6カ月以内に出産した

なお、出産一時金は、一児につき42万円が支給されます。

退職後に本人が夫の扶養に入るばあいには、どちらか一方の支給となります。

・退職した後に「出産手当金」を受け取るための条件
1. 退職日までの1年以上継続して健康保険に加入
2. 退職日が出産から42日以内
3. 退職日に仕事を行っていない

なお、出産手当金は、
1日当たり【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3)
が支給されます。

・「育児休業給付金」を受け取るための条件
育児休業給付金(育休手当)は、育休中に雇用保険から支給を受けることができます。乳幼児の育児期間中は、収入も減少するため、家計を支える役割を担います。支給の対象となるのは、子どもが1歳の誕生日を迎える前々日までとなります。ただし、育児休暇中に退職をした場合は、退職日の1つ前の月までが対象となることを事前に把握しておきましょう。

※転職以前の勤務先にて一定の雇用保険加入の期間があれば、受け取ることができる可能性もあります。

現職での人間関係に支障をきたす可能性がある

会社は本人が復帰することを前提にポジションの空きや復帰スケジュールを作成しています。直前になって退職の意向を伝えてしまうと、それらが無駄になるだけではなく、代わりの人員の採用が必要になります。代替要員の採用は早くても2ヶ月ほどかかるため、できるだけ早めに退職を伝達するようにしましょう。またその際、退職の意向と合わせて謝辞を伝えると良いでしょう。

産休・育休中はしばらくコミュニケーションが取れていない状態となりますが、お世話になったことには変わらないので、できるだけ直接会って伝えるようにすると良いでしょう。どうしても会えない場合にはオンライン上での挨拶があれば良いでしょう。上司の他、小さな組織であれば代表や周囲の社員にも連絡するのがマナーとしては好ましいです。

育休中に退職して入園予定の保育園に預けられなくなる

自治体によっては育児休業中に転職をすると入園ができなくなる自治体が存在します。逆に問題なく転職できる自治体も存在するため、該当する役所などに問い合わせてみると良いでしょう。

また育休中に退職をして転職が完了しない状態のようになると、フリーランスなどと見做されて入園できないこともあります。

転職先としても保育園の入園ができることが前提として採用しているため、「できなくなった」というのは個人としても、企業にとってもマイナスとなるでしょう。確認できる点は事前にしっかりと確認して、転職に備えておきましょう。

育休中は転職条件(年収・時間)の交渉は難しい

育休中の転職希望は、通常の転職活動に比べると自己理由での転職となりやすく、転職者本人が様々な条件をつけてしまいがちです。

特に育児との両立を成功させるための要素が多く、「残業がない」「通勤時間が短い」「リモートが使える」「社内の理解がある」など条件が必然的に多くなり、それに従って対象となる求人は少なくなっていきます。

条件を絞りたい気持ちはありながら、あくまで転職先を見つけるため、必要な条件のみに絞り、企業側へのアピールをすることを忘れずに進めましょう。

>>関連記事:育休中の転職は可能?事前に押さえたい注意点と転職を成功させるコツ

忙しすぎて転職活動がうまく進められない

これまでの転職活動とは異なり、子育てをしながらの転職活動(特に育休中)は子供の面倒を見ている必要があるため、転職活動に避ける時間が極端に少なくなります。短期間で複数の面接を実施する場合、一時預かりだけでは突発的な面接実施に対応できなかったり、家族の協力を得られない日もあります。

最終的に転職活動を完了できず、ただ疲弊して終わってしまうことがあるのです。

>>関連記事:ワーママの転職は難しい?30代子持ち女性が正社員で転職成功した理由

育休中の転職活動を行う場合のスケジュール

産休・育休中に転職を検討する方は少なくありません。ただし、通常の転職とは異なり、保育園の預け入れの確保などタイミングが重要になってきます。以下では、育休中に転職活動を行う際の大まかなスケジュールを抑えておきましょう。

4月〜8月ごろ:保育園の情報収集・検討

各自治体ごとに認可保育園の預け入れに関する情報提供を行なっています。パンフレットを確認したり、窓口での相談を受けるなどして必要な情報と入園できる可能性について把握しておきましょう。また、認可外保育園なども幅広く検討しておくことで、入園先やタイミングについても検討することができます。

9月〜12月ごろ:保育園への申し込み

就業先の企業にて就労証明書を発行していただき、保育園に申し込みましょう。申請から結果がわかるまでの期間は転職に向けて履歴書や職務経歴書を用意します。

1月〜2月ごろ:保育園決定・転職活動開始

自治体ごとにタイミングの違いはありますが、1月末〜2月にかけて保育園の内定に関する通知が届きます。転職活動を開始するためには、保育園が内定していることが望ましいため、活動開始は保育園の決定まで待ってスタートしましょう。

3月〜4月ごろ:保育園入園・転職先決定

転職活動はおおよそ2〜3ヶ月が平均です。早い場合はゴールデンウィーク明けには新しい職場に、という方もいますが、6〜7月ごろの転職が多くなります。

産休中・育休中に育児休暇後の退職・転職をする際の準備

では、産休や育休中の転職を成功させるためには何をすれば良いのでしょうか。具体的な事例を交えつつ、時系列順に紹介していきます。

1. 保育園の預け入れ先を決める

産休・育休中の転職に成功するためには、まず預け入れ先の保育園を決定しましょう。認可保育園・認可外保育園・その他のいずれでも預け入れ先がない(入園が決まっていない)状況では、企業側も採用の判断が出せません。

ただし、一部自治体では現職への復帰前に転職ができません。事前にお住まいの自治体に育休からの復帰の必要性について確認しておきましょう。

2. 転職活動がしやすい体制を整える

保育園が決まったら転職活動を始めていきましょう。書類選考後は基本的に1社あたり2〜3回の面接を受けることになります。複数の企業を受けている場合は、1週間に3〜8件の面接をリモートで実施したり、直接来社して面接をすることもあることもあります。育休中だと子供を預けなくてはいけないケースもあるため、パートナーや両親にお願いできないか相談してみましょう。

3. 履歴書・職務経歴書を用意する

転職活動の最初のステップは「書類作成」です。転職活動を進めるにあたり、一般的な職種では「履歴書」「職務経歴書」の2つが必要と言われています。クリエイティブ系の職種に関しては制作実績などを掲載する「ポートフォリオ」の提出も求められることがあります。

書類選考は意外と記載の仕方で結果が変わったりするものです。応募先企業ごとに書類内容を変更するのが望ましいと言われていますが、難しい場合は自身の経験やスキルをもれなく記載するようにしましょう。

また履歴書には「本人希望欄」なども設けられていますが、育休中だからと言って「慣らし保育のため○月○日〜○月○日は◎時に帰宅希望」など、記載の仕方によっては選考結果に不利になる可能性があります。

>>関連記事:履歴書の「本人希望欄」はどう書くべき?希望職種、待遇、勤務時間、条件の書き方(例文あり)

4. ワーママ特化の転職エージェントで求人の紹介を受ける

求人を確認していく際に育休中ならではの注意点があります。ワーママの転職では特に「勤務時間」「勤務地」が重要な要素になります。ただし、時短勤務やリモートワークについて、一般的な求人票では記載する義務がないため、情報が不足しているケースが目につきます。

そんな時はワーママの支援に特化したエージェントを活用すると良いでしょう。特に求人数が多く、実績が豊富なエージェントのみここでは紹介していきます。

□QOOL(クール)キャリア
ワーママの転職満足度No.1のエージェント。
年収500万円以上のキャリア志向の強いパパママへの求人をメインに紹介を行っています。
>>QOOLキャリアのサイトはこちら

□スマートキャリア
高時給の派遣求人などが多いようです。正社員よりも派遣や業務委託など、より柔軟性を高められる働き方の求人が多く集まっています。
>>スマートキャリアのサイトはこちら

□ママテラス
こちらはエージェントではありませんが、都内の求人をメインにダイレクトリクルーティングでのマッチングを行なっています。
主に企業からスカウトを受け、選考を進める形で、子育て中の人材をターゲットとした企業が集まっているようです。
>>ママテラスのサイトはこちら

>>関連記事:育児しながらキャリアアップ!子育て中のワーママ転職を成功させるコツ

5. 面談・面接

求人を確認したら書類選考から面接に進みます。経歴が長くなったり、転職先企業と業界が異なると、自分自身は分かったつもりでも面接の担当者が理解しづらいケースが多くあります。あくまで相手に理解してもらえなければ見極めも難しくなってしまうため、誰が聞いてもわかりやすい説明ができるように心がけましょう。

また面接では「経歴について」「転職理由」「志望動機(なぜ興味を持ったのか)」が聞かれることが多いと言われています。事前の情報収集や準備で答えられる質問はしっかりと用意して面接に臨みましょう。

5. 内定・内定承諾

内定が獲得できたタイミングで年収や雇用条件含む「内定通知書」を企業からもらい、承諾の有無の返事をします。承諾までの返事はおおよその場合2週間以内に求められるケースが多いようです。

内定を承諾したら転職先の企業と入社日について調整していきます。まずは現職に退職を申し出た上で、退職日を決定します。退社日・入社日が決定したら転職先の企業に「就労証明書」を記載してもらいましょう。

入社日までに不明点など出てきたら転職先の人事担当者に都度確認すると良いでしょう。

育休中や育休明けの退職・転職は慎重に

育休中に転職活動をする場合や育休明けの退職・転職は、通常の転職とは異なり保育園など確認すべき点が多くなります。保育園の入園手続きなど忙しい時期とも重なりますので、事前に情報収集を行い、余裕を持ったスケジュールになるようにしましょう。

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