女性の働き方が多様に 私の価値観が変わった”あの日”【イベントレポート:前編】

女性としてのキャリアの積み方についてどのように考えますか?

今回取り上げるのは、誇りをもって自己実現しているロールモデルたち。『ゼクシイ』の生みの親である渡瀬氏、人気家事代行サービス『タスカジ』を運営する和田氏など、起業や新規事業の立ち上げを経験した4名です。

彼女たちはどのようなタイミングで新たな挑戦を決意したのでしょうか。価値観が変化したタイミングで取ったアクションは、一体何だったのでしょうか。そして、女性が起業をするうえで考えるべきポイントとは。

【スピーカー】
・株式会社アーレア 代表 渡瀬ひろみ 氏
・株式会社タスカジ 代表 和田幸子 氏

・株式会社LiB LiBzBranding 事業責任者 武井梨名 氏
・株式会社セールスフォース・ドットコム スタートアップ戦略部 冨田阿里 氏

自分自身の意志で何かを実行する力

Q.「価値観が変わったと実感したのは、どのような時でしたか?」

渡瀬ひろみ氏 会社を辞めた時ですね。当時働いていたリクルートは楽しい会社ではあったのですが、「24時間闘えますか!?」という雰囲気がとても強くて。

とにかく「脱出ボタンを押すのは今!」、そんな気持ちで、後先考えずに辞めました。昼間の日比谷公園で缶ビールを飲んで感じた、心からの自由。思わず一人で万歳三唱してしまいました(笑)

和田幸子氏 私も会社を辞めて起業した時です。

自分の意思で社会に価値を与えるんだ!って。私が新卒で働き始めたのは、男女雇用機会均等法が謳われ始めた頃。女性が残業していると、やたらに「早く帰れ」と言われたり、女性だからという理由で起業を止められたりしました。起業への憧れもありましたが、周囲の雰囲気から一歩踏み出せなくて。

会社で働き続けるなかで、自分の強みを感じるようになりました。0→1が好きで、そこに突撃していくことにストレスを感じず楽しくできる!ということです。働き続けて自身のスキルが蓄積してきたことは、起業を後押しする自信に繋がりました。

武井梨名氏 恋人と別れて「自分で力をつけていかないと」と痛感した時です。当時付き合っていた彼とは婚約していました。私は好きなことを仕事として取り組んで、お金の面は彼に頼ればいいと考えていて。ゲームが好きなオタク気質だった私は、ゲーム会社に入社を決めました。

新卒2年目になる頃に婚約破棄。「人生計画狂ってしまった!」と頭が真っ白になりましたが、振り返れば大きな契機でした。

自分自身に力をつけて、お金を稼いでいけるように成長したいという気持ちに駆られたんですね。

冨田阿里氏 「自分がやりたいことと、会社がやっていることを近しくしていくのは難しい」と感じた時です。

私は社外で自身のプロジェクトを2つもっています。必ずしも、会社員として会社の中ですべてを達成しなくてもいいと思っていて。起業はしていませんが、“好き”を実現する形はさまざまですよね!

女性だからこその起業

Q.「タスカジを起業された経緯についてお聞かせください」

和田幸子氏 結婚して子供が生まれ、キャリア形成と育児の両立が難しいと感じたことがきっかけです。会社員時代に同じ世代の女性と話をすると、彼女たちも旦那さんと会社に不満を感じていて。

女性のキャリアと出産や子育てにまつわる社会課題は、誰かが向き合って解決していかなくては、と強く感じました。

Q.「女性が起業を考える時に大切にすべきポイントはなんでしょうか?」

和田幸子氏 起業を考えるのであれば、3つのポイントを満たしているかどうか考えて欲しいな、と思います。

①必ず世の中の役に立てることに時間を使う
②自分にとってもメリットがあること=キャリアアップに通ずること
③金銭的なリターンを得られる仕事を作ること

自分にとって起業がどのような価値なのかを考え、モチベーションをキープし続けることが大切です。

私は、3つすべてが満たせる形で起業できました。自分が解決したい課題に対して向き合い、世の中を良くしているという実感を、日々感じることができています。会社員時代には感じられなかった大きなやりがいを、起業を通して得ています。

後編 「仕事と家庭への向き合い方」

【イベント】
2018年7月、東京・渋谷に新しく誕生した女性向けコワーキングスペース「la billage(ラ・ビレッジ)」のオープニングイベント。
女性の新しい働き方、生き方をけん引する女性3~4名が登壇し、これからの女性の働き方や生き方をテーマにトークセッションを行いました。