子持ちの女性の転職活動って不利なの?失敗しない「働きやすい職場選び」に必要な知識を解説

働くワーキングマザーの中には転職活動を考えている人もいるでしょう。そのようなとき、「子持ちだと企業に歓迎されないのではないか」という不安はつきものです。実際のところ、子持ちであっても決定的なハンディキャップになるとは限りません。企業や職種によっては、ワーキングマザーの生活に理解を示し、サポートしてくれます。転職活動では、ワーキングマザーを支えてくれる職場をリサーチするようにしましょう。この記事では、子持ちの女性が転職活動に失敗しないための知識を解説していきます。

まずは注意!子持ちの女性が転職活動でぶつかりやすい困難とは?

子持ちだからといって、転職が不利になるというわけではありません。ただ、職場によっては子持ち女性が活躍しにくいのも事実です。たとえば、シフトが非常に厳密で急な休みをとりにくい職場は、ワーキングマザーに不向きだといえるでしょう。特に、子どもが幼いとどうしても変則的なトラブルは起きます。突然、子どもが熱を出すなどすれば、仕事を休んで病院に連れて行かなくてはなりません。そのような場合、ワーキングマザーの穴を埋められないタイプの職場であれば、継続的に働くのは難しくなってしまいます。

また、同僚の理解を得られない職場もあります。そもそも、子持ち女性が少ない職場では、古い価値観が横行しているケースも少なくありません。仮に子持ち女性が採用したとしても、十分な活躍の機会を得にくいのです。ひどいときには、ハラスメントの被害を受けてしまうこともありえます。倫理的にこうした職場が許されていいわけではないものの、すぐに変革しづらいのが現実です。その結果、子持ち女性が働きにくくなって、止めざるを得ない状況へと追い込まれてしまうのです。

その他、未経験の職種へと転職することも慎重になりましょう。まったく知識のない仕事をするとき、当然ながら新人教育を十分に受けなくてはなりません。しかし、子持ち女性は育児があるため、集中して勉強できない可能性があるのです。時短で働いていたり、当日に休んだりしていると、新人教育はなかなか進みません。企業に採用されたとしても、一人前になるまで時間がかかります。あるいは、最初から子持ち女性を採用したがらない企業も少なくないのです。30代以上である程度の社会人経験があるのなら、なおさら企業は転職者の経験を重視してくるでしょう。

そして、家事や育児と仕事を両立しにくくなる問題も起きています。仕事で疲れて帰ってきた後で、料理や掃除をするのはかなりの労力です。保育園や幼稚園のお迎え時間も決められているため、毎日が怒涛のスケジュールになってしまうでしょう。始めのうちは気持ちで乗り越えられたとしても、同じ状況が続けば疲労は蓄積していきます。体力的にも精神的にも、限界が訪れかねません。そうなってしまえば、仕事自体にやりがいを感じられたとしても、辞めなくてはならなくなってしまいます。

子持ちの女性を受け入れてくれる職場の特徴を知ろう

まずは、「企業側のサポート体制が整っている」ことです。育児休暇をたっぷり設けていたり、臨機応変に在宅勤務を認めてくれたりする企業は、子持ち女性にも理解があるといえます。また、女性の管理職登用に積極的かどうかも、企業選びの基準になるでしょう。ワーキングマザーが長期的なキャリアプランを描ける職場であれば、ライフスタイルに合わせた働き方が実現します。

同時に注目したいのは、「自分以外にも子持ち女性が働いていること」です。実際にワーキングマザーが活躍している職場であれば、安心して応募ができます。逆に、ホームページや応募要項では女性を応援しているのもかかわらず、子持ち女性の少ない職場もあります。こうした組織は女性向けの制度が整っているだけで、利用率が低い状態です。人事採用担当に質問するなどして、女性支援の実態をしっかり押さえておきましょう。

次に、「シフトの柔軟性」についてもチェックします。子どもがいる以上、フルタイムで週5~6日勤務するのは難しいといえます。まだ手のかかる幼児期の子どもであれば、時短で働かなければならない必要性も出てくるでしょう。そこで、企業側がワーキングマザーの働き方に協力してくれるかどうかが鍵となります。もしも正社員として働くのが大変そうであれば、派遣社員やパート、アルバイトとしての道を探すのも選択肢のうちです。

さらに、「社内や近所に託児所を設けている企業」もあるので、転職活動の条件に加えてみましょう。託児所と職場が同じところにあれば、ワーキングマザーの負担は大きく軽減されます。同時に、それだけ企業側も女性の採用に積極的だということを意味しています。ワーキングマザーの悩みや苦労に寄り添ってくれる傾向があるので、託児所の有無はチェックしておきたいポイントです。

そして、自分のスキルと照らし合わせたとき、「経験を生かせる職場」を選ぶことが大切です。女性自身にノウハウが備わっている仕事であれば、戦力になれるまで時間を要しません。育児との両立で限られた時間内でも、スムーズに職場へとなじめます。それに、30代以上の転職者であれば、企業はリーダーシップを求めてくることも少なくありません。子どもを育てながら職場での責任も果たすには、経験豊富な仕事のほうが有利でしょう。

時期が大切!子持ちの転職には理想的なタイミングがある

適切なタイミングは、子どもが4~5歳になったあたりです。この時期になると、子どもの健康面が安定してきます。免疫力が高まってくるので、前触れもなく発熱するような事態は少なくなっていきます。お母さんからすれば、子どもだけに集中しなくてもよくなってくるので、本腰を入れて転職活動に打ち込めるでしょう。また、中長期的なキャリアプランを立てて、正社員として働き始めることも十分に可能なタイミングです。

逆に、転職活動に全力を注ぎにくいのは、子どもが0~3歳の間です。この時期の子どもは1日中面倒を見てあげなくてはなりません。ミルクからオムツ交換、寝かしつけにいたるまで、親の徹底的なサポートを必要としています。どうしても転職活動が片手間になってしまうので、好条件の求人を見つけにくくなってしまいます。さらに、乳児期の子どもを抱えている女性の採用には、企業もやや消極的です。中には万全の体制を整えて迎え入れてくれる企業もあるものの、全体的には採用のハードルが高くなっているといえるでしょう。

それならば、子どもが0~3歳ごろまでは育児優先で生活を組み立てるのもひとつの方法です。仕事は働きやすさを重視して選びます。アルバイトやパートとして採用されるのもひとつの方法でしょう。そして、子どもに時間を割かれなくなった時期から、改めて転職活動を行うようにします。

判断が難しいのは、子どもが小学校に上がるタイミングでの転職です。確かに、育児が楽になるという面では絶好の時期でしょう。一方で、子どもが小学生になると生活リズムが大きく変わります。子どもは幼稚園や保育園の頃よりも遅く家を出て、早く帰ってきます。習い事や宿題の面倒を見なければならない機会も増えます。さまざまな変化に対応している最中で、転職活動までするのは手間です。しかも、企業によっては一部の育児支援を「未就学児のいる従業員」のみ対象としています。子どもが小学生以上になっても企業から手厚いサポートを受けられるか、転職活動期間にしっかり調べておきましょう。

それに、今後の家族計画も転職のタイミングを考える際には想定しておくことが肝心です。また出産したり、小学校受験に挑戦したりする予定があるなら、それらも踏まえて職場を探さなくてはなりません。将来的にもずっと働けるイメージを持てる職場をリサーチしましょう。

何をすればいい?子持ち女性が転職活動を行う際の主な流れ

最初に、求人情報の絞り込みを行います。このとき、ワーキングマザーへの支援制度が整っていることは大前提の条件です。そのうえで、「自分の経験に合っている」「シフトの融通が利く」といった、他の要素もチェックしましょう。「職場へのアクセス」も無視できません。自宅からはもちろん、保育園や幼稚園からもあまり離れていない企業に勤めるのが理想的です。移動時間が短くなるだけで、ワーキングマザーの1日のスケジュールは楽になります。終業時間を気にして焦って作業したり、通勤や退勤で体力を消耗することもなくなります。

ただ、これらの条件が全て揃っている企業となると、かなり少なくなってくるでしょう。また、好条件がそろっている企業は人気なので高確率で応募が殺到します。理想を高く持ちすぎると、なかなか転職活動は前に進みません。そこで、企業を選ぶ条件に優先順位をつけることが大切です。「託児所だけはあってほしい」「定時で帰れるようにしたい」など、自分にとって最も大事な条件をはっきりさせておきます。譲れない条件さえ満たしている企業であれば、他の部分を妥協してでも応募してみます。

応募先が決まったら履歴書を作成しましょう。企業の仕事内容や社風をしっかり把握したうえで、的確なPRを行うようにします。なお、企業への要望がある場合は、強引にならない程度に備考欄へと記しておきます。そうすれば、採用段階になってからのミスマッチを未然に防げるからです。

書類選考に通ったら、面接対策を始めます。子持ちの女性が聞かれる質問にはいくつかの定番があるので、あらかじめ答えを用意しておくと本番の印象が良くなります。具体的な例は、「子どもが熱を出したらどうしますか」「仕事と家庭はどちらが優先ですか」などです。いずれも、「子どもと家庭を優先します」とはっきり答えてしまえばマイナス評価になりかねません。まずは、「家族にサポートをお願いして、できる限り仕事を優先します」と、企業への誠意を見せましょう。そのうえで、「ただ、お休みをお願いすることもあると思います」と正直に答え、面接官と条件を調整するのがコツです。

ちなみに、履歴書作成や面接対策を、育児の間に行うのはなかなか大変です。子どもが寝静まった後や自身の移動時間など、1人になれるタイミングを見計らって効率的に進めていきましょう。

子持ち女性の転職にぴったりの職種・業界を紹介!

「事務職」はワーキングマザーにとって働きやすい職種です。あるいは、人事部や経理部、営業部などの「アシスタント業務」も適しているといえます。なぜなら、これらの職種は経験を生かしやすいうえ、求人数もかなり多いからです。30代以上で事務職の経験があるワーキングマザーなら、積極的に検討してみましょう。さらに、残業時間が少なかったり、デスクワークで体力の消耗が激しくなかったりするのもメリットです。育児に時間と体力を温存したい人にぴったりです。

経験を重要視されている仕事では、「オペレーター」もあります。コールセンターで消費者に対応する業務であり、トークスキルや商品知識が求められます。そのため、経験者は転職活動で評価してもらいやすいのが特色です。また、オペレーターは就業時間が細かく決められているので、残業がほとんどありません。育児の予定が立てやすいのも魅力です。それに、コールセンターは大量のオペレーターを雇っているのが一般的です。急に休まなくてはならなくなったときも、穴を埋めてもらいやすいでしょう。

ワーキングマザーへの理解を求めるなら、「IT業界」や「ベンチャー企業」に注目してみるのもおすすめです。これらの業界では、先進的な考え方を持った経営者がたくさんいます。働き方の多様化を受け入れている企業も多く、ワーキングマザーも歓迎する風土が整えられています。サポート制度が充実しているだけでなく現場での利用率も高いので、安心して働けるでしょう。そのかわり、システムエンジニアなどの専門性の高いポジションになれば、残業時間が長くなることもありえます。どの職種で応募するかによって働き方は変わるので、転職活動でのチェックポイントにしましょう。

女性が多い職場としては、美容業界にも注目です。エステシャンやセラピストといった職業は女性の割合が多く、子持ちの人もたくさんいます。似た境遇の同僚に相談しながら働けるのは大きなメリットでしょう。女性の上長、先輩も少なくないので、家庭との両立にも理解を示してくれます。

リサーチを怠らずに子持ちの転職活動を成功させよう

子持ちの女性を歓迎している職場や業界はどんどん増えてきています。ただ、それらの職場と出会うためには、転職活動で徹底的なリサーチを行わなければなりません。サポート制度が整っており、現場での利用率も高い企業ならワーキングマザーも安心して働けます。そして、育児と仕事を高いレベルで両立できるようになるでしょう。

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