30代子持ちの女性が転職する際のメリットとデメリットは?ワーママが転職活動で成功しやすくなるポイントをわかりやすく解説!

20代〜30代にかけてしっかりキャリアを築いてきても、結婚して子育てが始まると転職を意識する女性は少なくありません。しかし、これまでの職場から新しい環境へ移るとなると、不安を感じる人もいるのではないでしょうか。男女平等といわれていても、家事や子育ては女性のほうに負担がかかりやすい家庭はまだまだ多いといえます。転職をするなら、できるだけリスクの少ない条件を選ぶことが得策です。そこで、この記事では、30代子持ちの女性が仕事で直面しやすい問題やメリット・デメリット、さらに転職するうえで押さえておきたいポイントなどについて解説していきます。

30代子持ちの女性が働くうえで直面しやすい問題とは?

厚生労働省は、2018年(平成30年)に三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して調査した「仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」をWeb上で公開しています。その調査によれば、正社員で働いていた20代〜40代の女性のうち30.2%が「仕事を継続するための制度がない」などの理由を含め、子育てと仕事の両立が難しいと感じて仕事を辞めています。子育てとの両立に限界を感じて辞めた女性で次に多いのは「転勤など勤務地に問題があり継続が難しかった」というもので、こちらは全体の24.4%です。

また、非正社員の女性では「家事や子育てに時間を割くために辞めた」という回答が29.7%、「仕事を継続する制度がない」といった理由を含め、両立が難しいために退職した女性は26.7%にのぼります。このように、子持ちの女性のおよそ3割ほどが子育てをしながら仕事を続けることが難しいことを理由に退職を余儀なくされていることがわかります。一部、「家事や子育てに時間を割きたい」という意見も見られるものの、退職した女性の多くは「仕事を継続したかったが辞めざるを得なかった」というのが本音です。

続いて、子育てを理由に退職を決めた具体的な理由について見ていきましょう。まず、正社員の女性でもっとも多かったのは「子育てと両立可能な働き方ができなかった」というもので、全体の57.7%を占めています。次に多いのは「勤務時間が合わなかった」という理由で、こちらは46.2%です。非正社員の女性でもっとも多かった回答は「産前産後を含め、会社に育児休暇の制度がなかった」というもので、44.4%という結果が出ています。非正社員で次に多く見られた理由は「子育てと両立可能な働き方ができなかった」で、回答数は33.3%です。

他には、「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」ことや「体力がもたなかった」、「託児所に預けられなかった」などを理由に退職している女性もいます。「つわりを含む体調不良」を理由にあげている人も見られますが、こちらはごく少数です。この報告書からは、子育てをきっかけに退職した女性の多くが勤務先が働きにくい環境だったと感じていることがうかがえます。さらに、理想の両立のあり方で見ていくと「長期の休業を取得して子育てをする」という回答がもっとも多く、正社員では55.9%、非正社員では43.6%の女性が回答しています。

育児休暇を導入している企業は増えつつあるものの、実際に両立しやすいかどうか考えたとき、疑問を感じる女性が多いといえるでしょう。育児に関わる制度を設けている場合でも、会社の雰囲気によっては休暇が取りにくいという問題もあります。20代、30代とキャリアを積んできても、子持ちであるということでせっかくのスキルを活かしにくいと感じている女性は多いのではないでしょうか。

女性が子育てをしながら転職をするメリット

子持ちの女性の中には、そもそも就職した当時は結婚や出産を視野に入れていなかった人もいるでしょう。特に新卒で就職した勤務先であれば、自分が活躍できる業界であるかどうかにウェイトを置いて企業選びをすることは多いといえます。その場合、勤務先の環境が必ずしも家事や子育てがしやすいものであるとは限りません。中には、出産や育児に関する休暇制度を導入していない企業もあります。

そのような環境で働く女性にとって、子育てをきっかけに転職をするのは大きなメリットです。育児休暇制度を導入しているなど子育てしやすい環境が整った企業への転職を果たせれば、仕事との両立もしやすいでしょう。そうなれば、仕事を辞めるという選択をする必要もありません。一度仕事から遠のいてしまえば、子育てが落ち着いて復帰する際にどうしてもブランクができます。一度ブランクができてしまうと、たとえ同じ業界への復職でも不安を抱える女性は多いのではないでしょうか。しかし、転職によって子育てとの両立が図れれば、ブランクを作ることなくさらにキャリアを積めるのはメリットです。

もちろん、経済的な面でも十分メリットは得られます。女性が退職すれば、家計収入は男性だけに頼らざるを得ません。それでなくても、子育てにはお金がかかります。片方だけの収入になれば、2人で収入を得ていたときよりも生活に余裕はなくなるでしょう。しかし、転職によって退職を回避すれば、従来通り2人分の収入を維持できます。子どもの教育資金や夫婦の老後の資金など、将来に向けての計画も立てやすくなります。特に、30代に入ると家の購入を考える人は多いものです。例えば、住宅ローンの審査一つ取ってみても、夫だけの収入より妻の収入もあったほうが有利に働くでしょう。

そして、もう一つのメリットは、実際に子育てを経験したうえで状況に合った転職先を選べることです。たとえ育児にともなう制度が導入されている企業でも、いざ子育てが始まってみると十分ではないかもしれません。中には、制度とは名ばかりでなかなか利用できない場合もあります。例えば、仕事を他の人に任せられない環境だと、いくら育児休暇があっても思うように取得できません。勤務先によっては、有給休暇ですら取りにくいケースもあるでしょう。また、勤務時間や働き方に柔軟性がないと、子どもの急病など突発的なことに対応するのが難しくなります。

しかし、子育てが始まってから転職をすれば、実際の生活スタイルに合わせた勤務先を選ぶことが可能です。体力の面でも、無理をすることを避けられるでしょう。子育てにどれくらい時間や労力がかかるかは、実際に出産してみないとわかりません。配偶者を含め家族の協力がどれくらい得られるかにもよりますが、子どもの性格や体質などによってもさまざまに違います。それらをすべて経験したうえで転職先を選んだほうが必要な条件を満たしやすくなり、心身ともに余裕を持って働けるのがメリットです。

女性が子育てをしながら転職をするデメリット

一方、子持ちの女性が転職をする際、以前よりも就労条件が下がってしまうことがあります。例えば、正社員での採用が難しい場合です。子育てを優先して勤務時間を制限するとなると、非正社員でしか採用されないケースも出てきます。その場合は転職すること自体がデメリットになります。そうなれば、収入も下がってしまうかもしれません。特に、住宅ローンなどを抱えた状態だと、経済的な不安がのしかかることも出てくるでしょう。何より、雇用形態が変わることで築いてきたキャリアが活かせなくなれば、それだけでも大きなデメリットです。

すべてにいえることではありませんが、子持ちの女性に対して「業務に支障は出ないだろうか」と考える企業もあります。そのような企業では、たとえスキルがあっても正しく評価されないかもしれません。子持ちの女性に対して不安に感じる企業かどうかは、応募の段階ではなかなか判断できないでしょう。「男女雇用機会均等法」の第8条では、性別による差別的な扱いを原則として禁止しています。そのため、実際には子持ちの女性に理解が低い企業であっても、応募条件にそういった内容を盛り込むことはできません。そのことに気づかずに応募した場合は採用されにくいことも考えられ、時間のロスが出るのもデメリットとしてあげられます。

いざ子育てが始まってからでは、転職活動に時間が取りにくいのもデメリットの一つです。勤務中は託児所や保育園に子どもを預けることはできても、それ以外の時間は誰かに見てもらうしかありません。子持ちの女性が転職活動をするには、配偶者や親、友人など周囲の協力が必要になります。もしも十分な協力が得られないと、思うように転職先を探せない可能性も出てきます。また、面接のためにわざわざ平日に時間を割かなければなりません。働きながら転職活動をするだけでも、十分な時間を取るのはなかなか難しいものです。そのうえ子育てが始まっていると、自由な時間が思うように取れない人もいるでしょう。

子育てと仕事を両立するために利用できる制度

ここでは、子育てと両立するための制度について説明していきます。子育てに関する制度は、すべての企業が導入しているとは限りません。そのため、まずはどのような制度があるのか自分で知っておく必要があります。あらかじめ把握しておけば、転職先を選ぶ際の参考にできます。

一つは「育児休業制度」です。これは、1歳に満たない子どもを抱える従業員であれば取得できます。取得可能な回数は1回が原則で、子どもの1歳の誕生日まで継続して仕事を休むことが可能です。ただし、両親ともに取得する場合は、子どもが1歳2カ月になるまで期間を延長できます。「育児休業制度」は、正社員の他にも一定の要件を満たしていれば派遣社員や契約社員といった非正社員でも取得が可能です。

3歳未満の子どもがいるときには「短時間勤務制度」が利用できます。「短時間勤務制度」とは、通常より勤務時間を短縮できる制度で、5時間45分〜6時間にすることが可能です。この制度を利用するには本来の勤務時間が6時間より多いことが条件ですが、5時間または7時間など6時間以外で選ぶこともできます。ただし、1日単位で雇用される場合や勤務期間が1年に満たない場合は利用できません。また、業務内容によって「短時間勤務制度」の利用が難しいときは、フレックスタイム制度や時差出勤制度など他の制度を代わりに利用することが可能です。

小さな子どもを持つ女性にとって、「子の看護休暇制度」があると心強いでしょう。「子の看護休暇制度」とは、子どもが病気やケガで看護が必要となったときに休める制度のことです。3歳未満の子どもがいる従業員が対象で、勤務してから6カ月以上経過していれば利用できます。未就学児が1人の場合は年間5日まで、2人以上なら年間10日まで取得可能です。「子の看護休暇制度」は半日単位で取得でき、健康診断や予防接種のときにも使えます。

他にも「所定外労働の制限」や「時間外労働の制限」、「深夜業の制限」、「転勤に対する配慮」などが法律で定められています。「所定外労働の制限」では、3歳未満の子どもを抱えている従業員は残業の免除対象です。原則として勤続年数が1年を超えていることが条件ですが、申し出ることで男女ともに対象になります。「時間外労働の制限」と「深夜業の制限」は、残業や深夜勤務に一定の条件をつけることができます。いずれも勤続年数1年以上の未就学児を持つ親が対象です。自ら申し出ることが必要ですが、1カ月なら24時間、1年では150時間を超える深夜労働や時間外労働の免除が受けられます。

そして、「転勤に対する配慮」は、小学生や中学生を含む子どもを持つ親が対象です。企業側は、子育て中の従業員に対して勤務先が変更するような異動を命じる際、十分な配慮をしなければなりません。従業員本人の意思確認をはじめ、子育てに関する状況の把握もしたうえで慎重に判断することが求められます。

子持ちの女性が転職をする際に押さえておきたいポイント

これからも仕事を続けていきたい30代の女性にとって、それまで築いてきたキャリアを活かせる転職をすることが一番といえます。だからといって、子育てを後回しにするということではありません。子育てと両立可能な転職をするには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。まず、自分が何をしたいか明確な目的を決めておきます。この先、どのようなキャリアを形成していきたいのか、将来的なビジョンを早い段階で考えておくのです。

これまで積み上げてきたスキルをどのように活かしたいのか、目的を実現するために必要な資格は何かといったことも具体的にあげていきましょう。企業の中には、資格取得制度を設けているところもあります。転職をするなら、子育てとの両立だけでなく自分の将来に向けてのキャリア形成ができる企業選びもすることもポイントにあげられます。子どもを持つ女性である以前に、仕事をする1人の人間であることを意識することも必要です。子育ても大切な仕事ですが、女性だけが負担すべきことではありません。女性の場合、どうしても子育てを優先して転職先を選ぶことは多いでしょう。

しかし、仕事を続けていくなら、自分がやりたいことを我慢しないことも大切な選択です。自分が本当に好きな仕事ができていれば、たとえ子育てで辛いことがあっても精神的な支えにすることができます。まず、自分の気持ちに正直に向き合い、そのうえで子育てとの両立が可能な転職先を選びましょう。そのためには、配偶者と協力し合うことも重要なポイントにあげられます。配偶者はどこまで子育てに参加できるのか、じっくり話し合うことです。それぞれの役割や負担割合を決め、それに合った制度を導入している企業を探していけば、自分が働きやすい転職先を選びやすくなります。

子育てと仕事は無理をせずに両立できることが大切!

子育て中の女性も、仕事をあきらめる必要はありません。しかし、独身の頃と同じように働けないことも事実です。仕事を持つ親が子育てしやすいよう、さまざまな制度が設けられています。転職を考えるときは、まずどのような制度が導入されているのか把握することです。そのうえで自分に合った転職先を選び、無理なく子育てと両立できる働き方を見つけていきましょう。

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